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「フェラーリ初のSUV」がついに姿を表した! フェラーリ史上初の4ドア4座モデル 新型「プロサングエ」世界初公開

イタリアでの価格は39万ユーロ(約5400万円)

 フェラーリ史上初となる4ドア・4座席モデル、「PUROSANGUE(プロサングエ)」が発表になりました。

フェラーリ新型「プロサングエ」
フェラーリ新型「プロサングエ」

 長らく「フェラーリ初のSUV」と噂されていたモデルですが、フェラーリ自身は「プロサングエはSUVやクロスオーバーではない」と主張しています。

 なるほど、プロサングエのデザインはスタイリッシュで、ひと目でフェラーリとわかります。

 そのいっぽうで全高は1589mmと高く、最低地上高は185mmで駆動方式は4WDとされているので、「SUV的な使い方」もできそうです。事実、フェラーリは「オンロード(舗装路)のために作られたモデルだが、オフロードも走れる」としています。

 ただし、SUVという言葉の定義があいまいになっているいま、プロサングエがSUVかどうかを深く掘り下げることに大きな意味はないように思います。

 大切なのは、プロサングエがこれまでのフェラーリよりも少し背の高い4ドア・モデルで、大人4人が快適に過ごせる室内空間と、長距離ドライブを楽々と備えたラグジュアリーカーであるということ。そしてなにより、スポーツカーの性能を備えた純粋なフェラーリとされている点にあります。

 プロサングエ(=純血、サラブレッドの意味)というモデル名にも、フェラーリのそんな思いが込められているようです。

 全高が高い4ドア・モデルにスポーツカーの性能を与えるため、まったく新しいボディ構造やサスペンションなどがプロサングエのために開発されました。

 たとえばボディはアルミを中心としたスペースフレーム構造で、しかもエンジンなどの重量物をすべてホイールベース内に収めるレイアウトが採用されました。

 エンジンは「812スーパーファスト」などと同じ流れを汲む排気量6.5リッターの自然吸気V型12気筒エンジン(F140IA型)ですが、シリンダーヘッド、クランクシャフト、ピストン、コンロッドなどを新設計したうえ、2トンを越える車重にあわせて低速トルクを強化した特性に改めています。

 そのうえで725馬力と716Nmのハイパフォーマンスを実現。最高回転数は8250rpmと極めて高く、高回転域まで回せばフェラーリらしい美しいサウンドを奏でるそうです。

 フェラーリの至宝ともいうべきV12エンジンは、前輪の後方でキャビンの前方にあたる位置に“フロントミッドシップ”されますが、これと組み合わされる8速DCTのギアボックスは後車軸上に搭載され、前後の重量バランス改善に役立てられています。

 こうしたレイアウトはトランスアクスル方式と呼ばれ、現行フェラーリの全フロントエンジン・モデルに採用されています。

 いっぽう、プロサングエの駆動方式は4WDです。

 このため、エンジンの直後にはパワートランスファー・ユニット(PTU)というデバイスが置かれ、エンジンが生み出したパワーを2方向に振り分けたうえで、そのいっぽうを左右の前輪に伝えます。

 しかも、PTU内部のメカニズムによって、左右輪に配分するエンジンパワーの比率を調整できるので、ステアリングを切らなくてもクルマが曲がる力を生み出すことができます。このような機能はトルクベクタリングと呼ばれ、通常は左右輪に個別にブレーキをかけることで実現していますが、フェラーリは駆動力の増減を用いることにより、より効率的でスポーティなハンドリングを実現したと主張します。

 4WDや後輪駆動のモデルのなかには、左右後輪の駆動力を調整して同様の効果を得るモデルもありますが、前輪の駆動力で制御する4WDモデルは、ホンダの2代目「NSX」やフェラーリ「SF90ストラダーレ」などが知られている程度で、きわめて少数といえます。

Nextフェラーリ初となるアクティブサスペンションを採用
Gallery超スタイリッシュなSUV!? フェラーリ新型「プロサングエ」を【画像】で見る(40枚)

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