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リールにお湯はダメ!? 5分間の「セルフメンテ」で釣りのタックルはもっと使いやすくなる

汚れや塩分をその日のうちに落とすだけでもOK

「機械が苦手なのでメンテは無理」と、難しく考えることはありません。最新のリールはメンテサイクルが長くなった反面、極めて精密なためユーザーによる分解が難しく、年に1回ほどメーカーに預けてのオーバーホールが推奨されており、むしろ日常のセルフメンテは年々シンプルになっています。

 そこで今回は釣具の寿命を延ばすために気軽にできる、セルフメンテナンスの基本をスピニングタックルの例で紹介します。

リールを洗う際は、ロッドから外してスプールを上に向けた状態で真水をやさしくかけます。船宿や釣具店の中にはタックルを水洗いする場所を用意しているところもあるので、現地で洗ってしまうとより確実に汚れを落とすことができます
リールを洗う際は、ロッドから外してスプールを上に向けた状態で真水をやさしくかけます。船宿や釣具店の中にはタックルを水洗いする場所を用意しているところもあるので、現地で洗ってしまうとより確実に汚れを落とすことができます

 セルフメンテナンスの主な作業は、フィールドでついた汚れを落とすこと。海水の塩分は固着すると“塩ガミ”といって金属に悪影響を与え、淡水でも目に見えない泥や砂がヤスリのようにタックルの表面を傷つけてしまうもの。

 また、リールをロッドにつけたままにしておくと、隙間に入り込んだ水が残ってサビの原因になります。というわけで、どんなに疲れていても、釣行当日に水洗いだけでもしておきたいところです。

●リール洗いに温水がNGのわけ

 リールのメンテの基本は、真水で汚れや塩分を洗い流して、回転部にオイルを注油すること。まずはロッドからリールを外してドラグを締め込みます。そして、スプール下部の隙間から水が入り込まないよう、ドラグノブの上方向から水を掛けやさしく流していきます。

 注意したいのは温水を使わないこと。温かいお湯だとリール内部のオイルやグリスが流れやすくなってしまうので、必ず常温の水道水(真水)を使用することが大切です。

 強い水圧がかからないようやさしく全体を洗っていきます。潮に浸かったラインや、ラインの通り道のラインローラーはとくに念入りに水を流し、終わったらスプールを外して毛羽立ちの少ないマイクロファイバータオルなどの上にのせ、日陰で乾燥させます。

 ロッドもリールと同様、流水で洗い流します。複雑な形状のガイドの隙間や、リールシートのねじ込み部分は特に念入りに。終わったらリールと同様に乾燥させます。

 ここまでの作業は慣れれば5分もあれば十分で、釣行当日中に済ませれば気分もさっぱり。帰宅後シャワーを浴びる際にでも作業するルーティンにしておくのもオススメです。

セルフメンテに必要なアイテムは、オイルとグリス、ケバ立ちの少ないウエスやキッチンタオルのほか、料理用のバットがあれば周りを汚しません。写真のオイルとグリスは、ダイワ「リールガード スプレーセット」(オープン価格)
セルフメンテに必要なアイテムは、オイルとグリス、ケバ立ちの少ないウエスやキッチンタオルのほか、料理用のバットがあれば周りを汚しません。写真のオイルとグリスは、ダイワ「リールガード スプレーセット」(オープン価格)

●リールの油脂はオイルとグリスを使い分ける

 リールが乾燥したのを確認したら油分を補います。オイルとグリスの2種類を使いますが、メーカーから発売されている純正のセットだと安心です。

 注意したいのは、リールのメンテ法はモデルによって異なること。例えば同じ部分でも、注油が必須のリールもあれば、注油厳禁というモデルもあります。良かれと思ってオイルを注すと、むしろ不具合を起こすことにもなりかねないのです。

 そこで役に立つのが取り扱い説明書。モデルごとに必要な油脂と、注油箇所が明記されているので、この機会にしっかり目を通しておきたいところです。

 スピニングリールの場合、注油ポイントは「ラインローラー」「ハンドルノブ」「ベール」「ウオームシャフト」など。説明書で指定された油脂を、まわりに飛び散らないよう注意しながら注しますが、つけ過ぎは汚れを呼び寄せてしまうので各箇所一滴程度で十分。また、ボルトの露出部分に軽くオイルを吹いておくとサビを予防する効果があります。

 全体の注油を済ませたら、ハンドルを軽く回転させて動作部の隙間にオイルをなじませ、不要な油分をウエスで拭き取れば完了。たったこれだけのメンテナンスで、次回の釣行でも快適な使用感を楽しめること間違いなしです。

Gallery 【画像】5分間でできる釣具のセルフメンテのコツ(9枚)
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