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マクラーレンがロッキードと技術協力「なぜかアメリカ向けにしか発表しない」その気になる中身とは

“設計手法の評価”がメインテーマだが

 イギリスのラグジュアリー・スーパーカーメーカーであるマクラーレン・オートモーティブは、先ごろ“謎”のプレスリリースを発表しました。その内容は「ロッキード マーティン“スカンクワークス”と技術提携した」というものです。

 スカンクワークスとは「ロッキードマーティン先進開発計画部門」の通称であり、現在は顧客のニーズに合わせて研究開発してくれる、いわばコンサルティング部門でもあります。

アメリカ・カリフォルニア州にあるスカンクワークス本社前に展示された超音速機「ダークスター」と「アルトゥーラ」
アメリカ・カリフォルニア州にあるスカンクワークス本社前に展示された超音速機「ダークスター」と「アルトゥーラ」

 ブガッティは「ヴェイロン」の開発に際し、航空技術エンジニアとの協業が欠かせなかったといわれています。最近の“ハイパーカー”の最高速度は、航空機の離陸スピードよりも速いですからね。揚力やダウンフォース、ブレーキやエンジンや排ガスの冷却、もはや自動車技術の常識を超えた範疇なのかもしれません。

 今回、マクラーレンが発表したプレスリリースをかいつまんでみると「未来型の設計手法を評価する」、「航空機の世界で開発されたスカンクワークスの新しい設計システムを、高性能で最先端のスーパーカー設計の領域に展開することに焦点を当てる」、「最先端技術が自動車設計の世界でどのように商業的に採用されるかをテストし、探求していく予定」とのことです。

 漠然とした美辞麗句が並ぶのでちょっとイメージしにくいですが、要はスカンクワークスが持つなんらかのソフトウェアを活用し、マクラーレンの車両開発において、なんらかの性能評価をおこなえるか否かを検証する……。おそらく両社で実現の可能性について検証するのでしょう。

 最新鋭の戦闘機を開発・生産するロッキード マーティンのスカンクワークスとの技術提携と聞くとワクワクしますが、今回のプレスリリースでは「共同開発する」とまではいっていません。あくまでも“設計手法の評価”がメインテーマです。

●なぜイギリスや日本向けには未発表なのか

 そして、今回のプレスリリースが“謎”なのは、アメリカ向けのみ発信されたこと。

 日本向けの発表が遅れているのは翻訳作業に時間を要しているのかな? と思いきや、マクラーレンの本拠地であるイギリス向けにも、いまだにこのリリースは発表されていません。まさかアメリカ向けの車両だけ、スカンクワークスとコラボレーションするわけでもあるまいし、実にミステリアスな話です。

 マクラーレンは上場しているわけでもありませんし、一体、誰にアピールするためのプレスリリースだったのか? そのうち答えが見えてくるのかもしれません。

 それにしても、今回のリリースといっしょに公開された写真、カッコいいですね。

Gallery 【画像】“スカンクワークス”と技術提携したマクラーレン“謎”のプレスリリースを見る(4枚)
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