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人気車種「Eクラス」と比べてどう? メルセデスの本気を感じる新時代のミドルセダン「EQE」の実力とは

新しさを感じさせる“ワン・ボウ”デザイン

 メルセデス・ベンツの電動車ブランド・メルセデスEQ。その第1弾として2019年に上陸した「EQC」に続き、これまで「EQA」、「EQB」と3種類のSUVが続けざまに登場してきた。

 そして2022年9月に満を持して導入されたのが、フラッグシップモデルの「EQS」とミドルセダンの「EQE」。その名から想像できるように、エンジン車である「Sクラス」と「Eクラス」に相当するモデルである。

EV特有の走り味や、EV専用プラットフォームの採用で実現したキャブフォワードデザインなど、随所に新しさを感じさせるメルセデス・ベンツ「EQE」
EV特有の走り味や、EV専用プラットフォームの採用で実現したキャブフォワードデザインなど、随所に新しさを感じさせるメルセデス・ベンツ「EQE」

 そのうち今回、EQEのベースグレードである「EQE 350+」に試乗した。もしも、さらに速いモデルをお望みなら、AMGモデルである「EQE 53 4マチック+」もラインナップされている。

 EQEのハイライトは、EQSと共通となるメルセデス初のEV(電気自動車)専用プラットフォーム“EVA2”を採用したこと。Eクラスのようにフロントにエンジンやトランスミッションを配置する必要がないことから、オーバーハングを切り詰め、キャビンを前方へ持ってくる、いわゆるキャブフォワードデザインになっている。

 Eクラスのセダンは、8気筒や6気筒エンジンを搭載するため必然的にフロント部分が長くなっていたが、EQEにはそうした縛りがない。これまでの典型的なメルセデスとは異なるスタイリングが新しさを感じさせてくれる。

 EQEに採用されたフロントからルーフ、リアにかけてのしなやかなラインは、弓のカタチになぞらえ“ワン・ボウ”デザインと呼ばれる。ボンネットは左右フェンダーまで回り込んでいるが、これはシームレスなデザインとしてだけでなく、高速巡航時にボンネットが浮く現象を抑え、空力的にも有効だという。ドアハンドルも格納式で、走行中はボディパネルと面一になる。

 インテリアは、ジェットエンジンのタービンを模したエアアウトレットや、コンソール下に空間を持たせたフローティングデザインのセンターコンソールが特徴。ステアリングの奥に12.3インチのコックピットディスプレイが、センターには12.8インチの有機ELディスプレイが配置されている。これらは最新のSクラスや「Cクラス」に通じるもので、見やすく使い勝手がいい。

 EQE 350+は、モーターをはじめとする電気駆動システム“eATS”をリアに1基搭載する後輪駆動モデルだ。モーターは最高出力292ps、最大トルク565Nmを発生。駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は90.6kWhで、1充電当たりの走行距離はWLTCモードで624kmに到達する。

Nextスポーツカーのような気持ちいい走り
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