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なぜ「ジープ」ブランドは日本で絶大な人気がある? 米国SUVブランドの強みとは

2022年は半導体不足などの影響で1万台を割ったが回復基調

 2022年よりステランティスの一員となったアメリカのSUVブランド「Jeep(ジープ)」ですが、とにかく日本で大人気です。

ジープ「ラングラー」。2022年の外国メーカー車モデル別新車登録台数順位では15位の3816台を販売
ジープ「ラングラー」。2022年の外国メーカー車モデル別新車登録台数順位では15位の3816台を販売

 それは過去の数字を見ると明らかです。

 日本自動車輸入組合(JAIA)の資料を振り返ると、日本での販売台数は以下のようになります。

2009年:1010台
2010年:1877台
2011年:3154台
2012年:4977台
2013年:4928台
2014年:6691台
2015年:7129台
2016年:9388台
2017年:1万101台
2018年:1万1438台
2019年:1万3354台
2020年:1万3588台
2021年:1万4294台
2022年:9871台

 2022年は、コロナ禍や半導体不足、原材料費の高騰、急激な円安など世の中が正常な状態ではないこともあり、前年比69.1%の9871台と6年前の2016年水準にまで台数が落ちてしまいました。

 ただし2023年に入ってからは、2月までの2か月間の数字だけを見ると1602台と、前年同月比で120.8%まで数字を戻していることから、2023年はまた販売台数も上向くことが予想されます。

 何年にもわたり、ジープは過去最高を更新しつづけてきましたが、これほど極端な例はほかに心当たりがありません。

 むろんジープにとっても日本は重要な市場で、北米に次ぐ大きな規模となっています。

 ほかには中国、ドイツ、韓国、アラブ首長国連邦あたりでも比較的好調なようですが、本国のアメリカ以外では日本が突出しています。ましてやラングラーは日本が世界でもっとも売れているというから驚かずにいられません。

 そもそも日本では、クロカン車のことを「ジープ」と呼ぶと思っている人も大勢いるほど、その名前はすっかり定着しています。

 実際、日本のメーカーが国内でライセンス生産していた時期も長かったので、なんとなくとっつきやすいイメージがあるのも人気の要因のひとつとして挙げられそうです。

 もちろん商品そのものに魅力があることはいうまでもありません。

 日本人は何事にも「付加価値」を求めます。せっかく買うなら普通のクルマでは満足できず、普通ではない何かを持ったクルマをあえて選ぶ人が大勢います。ジープはそこにも上手くはまっているといえそうです。

 ラングラーがまさしくそうです。ラングラーのようなクルマは他にはそうそうないし、しかもまぎれもなく「本物」です。

 ラングラーには日本人が好む要素が揃っています。

 さらに、持ち前の本物感をそのままに、2018年にモデルチェンジした現行のJL型ラングラーは、内容的にはほぼ全面的に刷新されていますが、せっかく評判のよいデザインはあえて変えず、プレミアムブランドのSUVから乗り替えたユーザーも不満を感じないよう、質感や快適性が大幅に高めらことも、目の肥えた日本のユーザーの購買意欲をさらに刺激したと考えられます。

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