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ホンダ「CB」シリーズ栄光の系譜…ホンダの実力を世界中に知らしめたロードモデルの代名詞的存在の進化とは

「CB」シリーズの元祖は125ccモデル

 現行モデルでも、原付二種の「CB 125R」から大排気量車の「CB1300 SUPER FOUR」まで、多くのラインナップがそろう「CB」シリーズは、ホンダのロードモデルの代名詞的な存在となっています。

ホンダの名声を世界にとどろかせたロードバイクの代名詞的存在が「CB」シリーズ。写真は「CB1100<Type I>」(2010年)
ホンダの名声を世界にとどろかせたロードバイクの代名詞的存在が「CB」シリーズ。写真は「CB1100<Type I>」(2010年)

 そのルーツは、1959年に誕生した小排気量モデル。初めて「CB」の名を冠したモデルは、1959年に登場した「ベンリィ CB92 スーパースポーツ」でした。125ccの排気量ながら、空冷4スト並列2気筒OHCエンジンを搭載し、15psを発生。ちなみにこの年は、ホンダが初めてマン島TTレースに参戦した年でもあることから、「CB」はホンダの歴史とともに歩んできたことが感じられます。

「CB92」とともに「CB」の名を世に知らしめるきっかけとなったのが、1960年に登場した「ドリーム CB72 スーパースポーツ」。こちらは250ccの空冷4スト並列2気筒OHCで24psを発生し、ほぼリッター100馬力を達成した高性能モデルでした。

 そして、「CB」ブランドを世界的に不動のものにしたのが、1969年に登場した「ドリーム CB 750 FOUR」。市販量産車として初めて最高速度200km/h超えを達成したモデルであり、空冷並列4気筒OHCエンジンは67psを発生しました。

 その登場は衝撃的であり、長く大排気量車の代名詞であった“ナナハン”という言葉を生み出したほか、日本国内で売られるモデルの排気量上限を750ccまでとする自主規制をつくる要因となったモデルでもあります。

●時代を牽引し続けてきた「CB」シリーズ

 400ccクラスにおいては、1974年に登場した「ドリーム CB 400 FOUR」を記憶している人も多いことでしょう。並列4気筒のエンジンに集合タイプのマフラーを装備したそのデザインは、今でも評価の高いモデルです。当初の排気量は408ccでしたが、1975年に免許制度が改定されて400ccまでの限定が設けられたことから、1976年に398ccへと排気量が下げられました。

 1980年代のバイクブーム全盛期に市場を盛り上げたのは、1979年登場の「CB750F」。空冷4気筒エンジンはDOHCの16バルブとなり、最高出力は68psに。輸出仕様の「CB900F」も同時開発され、そちらは90psを発生していました。このモデルは当時のAMAスーパーバイク選手権でも活躍。フレディ・スペンサーが活躍する姿を覚えている人も多いことでしょう。

 その後「CB」シリーズからは、「CBX」や「CBR」といった派生シリーズも誕生します。時代とともにエンジンの水冷化など進化を遂げていきますが、なかでも大きな変換点となったのが1992年。この年、400ccクラスに「CB400 SUPER FOUR」、そしてリッタークラスには”BIG-1”のプロジェクト名でも知られる「CB1000 SUPER FOUR」がリリースされます。

“プロジェクトBIG-1”は“新しい時代にふさわしいホンダのロードスポーツモデルはどうあるべきか、を追求したもので、「CB1000 SUPER FOUR」は堂々とした体躯と水冷4気筒エンジン、それでいて扱いやすい乗り味でヒットモデルとなります。1998年からは排気量が1300ccにアップし、2022年には30周年記念モデルもリリースされました。

「CB400 Super Four」は教習モデルにも採用され、扱いやすいマシンとして評価されていましたが、残念ながら2022年に生産が終了。同年には空冷エンジンの「CB1100」シリーズも姿を消してしまいました。こちらは水冷化が進む中、あえて空冷エンジンならではのフィーリングを追求したモデルで、その独特の味わいを惜しむ声は少なくありません。

 時代に応じて進化を繰り返しながら、性能だけでなく乗り味やバイクを操る楽しさまでをも追求してきた「CB」シリーズ。今後もホンダファンだけでなく、バイク好きの心をつかむモデルが登場することを期待して止みません。

Gallery 【画像】性能はもちろん乗り味や操る楽しさも追求してきたホンダ「CB」の系譜を画像で見る(14枚)

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