後席は快適? レクサスの“小さな高級車”新型「LBX」のリアシートをチェック コンパクトSUVとは思えない“プレミアムな仕立て”が心地いい
レクサスらしいハイクオリティな仕立てのインテリア
2023年秋以降の発売が予定されるレクサスの新しいコンパクトSUV「LBX」。そのプロトタイプが先ごろイタリア・ミラノで初公開されました。
ボディサイズはコンパクトなLBXですが、多彩な目的に使われるSUVカテゴリーのモデルだけに、やはり気になるのはキャビンの快適性。なかでもリアシートの居住性についてチェックしたいと思います。

“プレミアム・カジュアル”をデザインコンセプトに掲げる新型LBXは、そのねらい通り、コンパクトカーとは思えないほどの存在感と上質さを兼備しています。
新型LBXのボディサイズは、全長4190mm、全幅1825mm、全高1560mm、ホイールベース2580mmとなっています。こうしたサイズ設定に加えて、新型LBXは大径のタイヤ&ホイールを装着。さらに、それらを各フェンダーのギリギリまで張り出させることで、よりワイドなスタンスと低く構えたフォルムを実現しています。
さらにエクステリアでは、グリルのフレームを廃し、造形自体でスピンドルを演出した“ユニファイドスピンドル”採用のフロントマスクが印象的。長めのノーズと張り出したフェンダー、さらに大きく絞り込むことで安定感が増したリア回りの造形などが相まって、存在感のある力強いエクステリアに仕上がっています。
対するインテリアは、レクサスらしい上質な仕立てが目を惹きます。コックピットはニーサポートの周辺までソフトパッドをあしらうほか、一部グレードでは上質なスエード調素材を多くの部分に使用するなど、心地よい空間づくりに注力されています。
●プレミアムな仕上げとなる新型「LBX」のリアシート
このように、新型LBXは“小さな高級車”と呼ぶにふさわしいモデルですが、SUVということもあって街乗りだけでなくレジャードライブにも使いたいという人も多いのではないでしょうか。
実は新型LBXのボディサイズを見て気になったのは、キャビンの快適性。なかでもリアシートの居住性でした。
実は新型LBXは、トヨタ「ヤリスクロス」と基本プラットフォームを共用するモデルです。ちなみに、ヤリスクロスの「ハイブリッドG」グレードは全長4180mm、全幅1765mm、全高1590mm、ホイールベース2560mmですから、新型LBXは10mm長く、60mm幅広く、30mm低く、ホイールベースは20mm長い設定となっています。
2台のボディサイズを見比べると、例えば全幅は新型LBXの方が60mmワイドですが、これは張り出しの大きいフェンダーなど、エクステリアデザインに充てられたものだと思われます。
また、ホイールベースも20mm長い設定となりますが、こちらは開発責任者のコメントなどから、大径タイヤを履かせるべくホイールベースを22mm延長した結果だということが分かっています。
それらを勘案すると、新型LBXのキャビンはヤリスクロスと同等ではないかと推測されます。
参考までに、ヤリスクロスの後席の居住性をおさらいしておきましょう。室内高は1205mmあるため、乗員の頭上スペースには余裕が感じられます。また、高めのヒップポイントなどもあって開放感は上々です。
とはいえ、ボディサイズがコンパクトなため、室内幅は1430mmとややタイト。3名乗車時は余裕たっぷりとはいえません。また、リアシートの足元空間も小さめ。175cmのドライバーが適切なドラポジをとると、乗員のヒザ前は拳ふたつほどのスペースとなります。
今回、ミラノでお披露目された新型LBXのリアシートを見ると、まさに同等の空間であることが分かります。つまり、新型LBXの後席は決して広いわけではないものの、コンパクトSUVとしては必要にして十分な空間が確保されているのです。

しかも、サイズのヒエラルキーを超えた上質な仕立てがウリの新型LBXだけあって、グレードによってリアドアの内張りにもスエード調素材で仕立てたトリムがあしらわれるほか、シート生地もより上質なものがおごられるなど、プレミアムな仕立てとなっています。
加えて、センターコンソールの後ろ側にフタつきのUSB-Cポートがふたつ用意されるなど、機能性にも配慮されていることがうかがえます。
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新型LBXのキャビン、なかでもリアシートの居住性は、シティユースがメインとなるコンパクトSUVとしては必要十分なレベルだといえます。2023年秋以降とされる小さな高級SUVの発売が今から楽しみです。