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メタルブレスは水洗いNG? 夏のあとは洗浄必須! 自宅で可能なメンテナンス方を聞いてみた【腕時計入門#07】

●長持ちさせたいなら日々のメンテナンスは必須

 スマートウォッチ、アナログ時計に関わらず、腕時計は常に身に着けているからこそメンテナンスが重要といえます。 

 時計本体はもちろんですが、ブレス(バンド)も定期的なメンテナンスが必要です。

 腕時計のブレスは、大きく分けると非金属製のバンドと金属製のメタルブレスの2種類になります。

 非金属製のバンドには、革素材やラバー素材、ナイロン素材などがあります。ラバー素材はアウトドアウォッチ、ナイロン素材はミリタリーウォッチなどでよく採用されます。
  
 金属素材であるメタルブレスは、多くのダイバーズウォッチや、ビジネスやプライベートなどのシーンでも選ばれ、人気の高いアイテムです。

 非金属バンドに比べて、メタルブレスは耐久性や防汚性が高いですが、構造上メンテナンスをおこなうのは難しい傾向にあります。

 しかし、日常的に使われるメタルブレスではメンテナンスを怠っていると問題が生じます。時計の修理事業をおこなう共栄産業株式会社の藤田大氏は、メタルブレスの汚れについて次のように話します。

 「メタルブレスは入り組んだ構造になっているため、細かい隙間があります。そこに汗や汚れが侵入するとサビが発生します。サビがメタルブレスの機能に影響を与え、最悪の場合はピンが抜け、時計が落ちてしまうこともあります」

 腕時計のバンドやブレスは普段から肌に触れているために、手入れを行わないと時計自体に影響を与える場合もあります。

 とくに夏場は皮脂や汗による雑菌の繁殖により、臭いだけでなく腐食による劣化も進みがちです。

メタルブレスのメンテナンスでまず用意しておきたいのは、ハンカチやマイクロファイバーなどの目の細かいクロス
メタルブレスのメンテナンスでまず用意しておきたいのは、ハンカチやマイクロファイバーなどの目の細かいクロス

●メタルブレスのメンテナンスはどのように行えばいい? また頻度は?

 それでは、メタルブレスはどのように汚れを落とすのが良いのでしょうか。藤田氏は次のように話します。

 「自宅でできる洗浄方法として、おすすめはドライブラッシングで磨くことです。いらなくなった歯ブラシなどで磨くことで目立つ汚れを落とすことができます。

 また、日常的に時計を外したらハンカチを使って拭くことも重要です。これにより、メタルブレスを長くきれいに使用することができるのでおすすめです」

 メタルブレスのメンテナンスでまず用意しておきたいのは、ハンカチやマイクロファイバーなどの目の細かいクロス。1日1回、ブレスの表裏を拭き上げておけば、常に清潔な状態に保てます。

 一方で、メタルブレスのメンテナンスに関しての注意点については次のように話します。

 「ブラッシングをする場合、硬いブラシを使うと表面が傷ついてしまうこともあります。柔らかい素材のブラシを使用し優しく拭くと良いでしょう。

 また、水に濡らして洗浄することはおすすめできません。ブラッシングでは、表面上の汚れを落とすことはできますが、メタルブレスは見えない汚れが多く、完璧に汚れを落とすことはなかなかできません。

 そのため、メタルブレスを濡らすことによって、細い隙間に入りこんだ汚れが溶けていきます。それにより、腕時計を着用した際に腕や服が黒く汚れてしまう可能性があります」

 さらにバックル部分にはクリーナーを使ったメンテナンスもでき、クロスでは落としきれない汚れも吹きかけるだけで、分解してくれるでしょう。

 それでは、メタルブレスのメンテナンスはどのような頻度でおこなえば良いのでしょうか。藤田氏は次のように話します。

 「拭き取りは時計を外したら日常的に行うことが望ましいといえます。また、目に見える汚れがあったら都度、ドライブラッシングをすると良いでしょう。

 それでも落ちない汚れがある場合は、プロに任せ、超音波洗浄をします。メタルブレスの細かい汚れまで落とすことができ、しっかりと乾燥までするので汚れが溶け出す心配もありません。

 年に1回か2回は超音波洗浄をすることを推奨します。特に、夏場は皮脂の汚れが多くなるので、秋の入り口などに一度超音波洗浄をすると良いでしょう」

※  ※  ※

 メタルブレスはレザーバンドに比べて耐久性は高い傾向にありますが、定期的なメンテナンスを行う必要性は代わりません。特に、皮膚と接着するメタルブレスの裏側の部分は汚れが付着しやすい傾向があります。

 大事な時計を長持ちさせるためにも、日々の簡易清掃だけでも行うようにしましょう。

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