VAGUE(ヴァーグ)

アウトドアのレベルが上がる! 達人に聞く「かんたん着火剤」と「野草のアウトドアバーム」の作り方とは

●ブッシュクラフターの憧れ講師が集う「THE BIG SESSION」

 2023年10月11-12日、長野のキャンプ場「ライジングフィールド軽井沢」でブッシュクラフトの基礎技術を学ぶ「THE BIG SESSION 2023」が開催されました。

左から荒井裕介(あらい・ゆうすけ)さん、越山哲老(こしやま・さとし)さん、三浦靖司(みうら・やすし)さん、川口拓(かわぐち・たく)さん。4人それぞれの講座を受けられる楽しい2日間
左から荒井裕介(あらい・ゆうすけ)さん、越山哲老(こしやま・さとし)さん、三浦靖司(みうら・やすし)さん、川口拓(かわぐち・たく)さん。4人それぞれの講座を受けられる楽しい2日間

 講師を務めたのはワイルドライフクリーターとして活躍し「Yusuke Arai Bush Craft & Bug Out School」代表の荒井裕介さん、リバーサイドブッシュクラフトスクール主宰でナイフインストラクターでもある越山哲老さん、西日本を中心にブッシュクラフト講座や親子サバイバルキャンプを開講する「KIDS GO WILD」代表の三浦靖司さん、「WILD AND NATIVE」代表であり「Japan Bushcraft School」校長の川口拓さん。

 楽しく安全に自然を楽しめるよう知恵と技術を広めている第一人者たちに直接指導してもらえる人気イベントです。

●ワセリンは肌の保湿ができるし着火剤としても優秀

 個性豊かで学びが多い4つの講座ですが、すぐにマネしたくなるのが荒井裕介さんの「火起こし術」と「ワセリン着火剤」です。

「ワセリン着火剤」はとてもシンプル。ほぐしたコットンにワセリンを揉み込んで染みこませたら、パラフィンペーパー(クッキングシートでも可)に包むだけ。必要な分だけちぎって着火剤にするというものです。

 ポイントはコットンにべったりワセリンを塗るのではなく、繊維が残ってしっとりするくらい抑えること。最初に繊維部分に火がつき、そのうちにワセリンが溶けることで長く燃えるのです。

 ワセリンは肌や唇の保湿に使えるし、飛行機移動でも持ち運べます。荒井さんによるとスティックタイプのリップクリームも着火剤になるとのこと。身近なものを利用できるのは大歓迎です。

②パラフィンペーパーを細長く切り、その上に①のコットンを並べます。コットンが多いとはみ出るので注意して
②パラフィンペーパーを細長く切り、その上に①のコットンを並べます。コットンが多いとはみ出るので注意して

 ワセリン着火剤ができたら、その実力をファイヤースターターや火打ち石で体験。ワセリン着火剤はペーパーを開いて中のコットンが見えるようにし、そのコットンをナイフで押さえます。

 ナイフは背が角張ったものが着火向き。ナイフが身体のやや外側に傾くように立て、フェロセリウム製ロッドを添えたら素早くロッドを引き抜くと火花が飛びます。

 ロッドとナイフの背の角度によって火花が出たり出なかったりするので、あらかじめどんな角度にすればいいか確かめておくといいようです。

 また木を薄く削って羽根のようにするフェザースティックも自家製着火剤の一種。

「せっかく作ったフェザースティックを潰してしまっている人を見かけます。薄い羽根をいかすためにフェザースティックを手に持って着火するという方法があります」と荒井さん。

 見ると木の羽根の脇にロッドを添え、その上からナイフの背を当ててロッドを引き抜きます。あっという間に木の羽根に火がついたし、なんといってもカッコいい!

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Gallery 【画像】達人の愛車は? アウトドアで役立つワセリンの塗り方と野草を使ったテクニックを写真で見る(20枚)

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