世界に500台しか存在しない“特別なアルファロメオ”とは? ノーマルの“クアドリフォリオ”とは別物! 「ジュリアGTAm」は速さが驚異的
“軽量化されたGT”をさらに“改造した”「ジュリアGTAm」
先のマイナーチェンジで、ES30型「SZ」「RZ」や「159」「ブレラ」といったかつての名車からインスパイアを受けた3眼×2の目つきとなり、より彫りの深い顔立ちとなったアルファ ロメオ「ジュリア」シリーズ。
同シリーズの最高峰であり、アルファ ロメオ史上最速のセダンともいえる「ジュリア クアドリフォリオ」も本国でマイナーチェンジ済みですから、こちらもそう遠くない時期に上陸するものと予想されます。
そんなクアドリフォリオには、実はさらに特別なモデルが存在しています。ある意味、“究極のジュリア”ともいえるそのモデルこそ、「ジュリアGTA」と今回フォーカスする「ジュリアGTAm」です。

GTAとGTAmは2021年に世界限定500台にて予約受付がおこなわれ、瞬く間に完売。日本には世界最多の台数が上陸することになったのですが、それでも88台という少なさです。
アルファ ロメオのオーナーは走ることが好きな人が多いため、イベントの場などでその姿を見かけることもありますが、同時に、相当数がコレクターズアイテムとして秘蔵されているといわれており、街中ですれ違う機会などありません。
先日、幸いなことに、ジュリアGTAmに試乗できるという夢のような時間を体験できたので、今回はその印象をお伝えしたいと思います。
ところで、アルファ ロメオのGTAやGTAmとは、どんなクルマを指す名称でしょう? GTAはイタリア語の“Gran Turismo Alleggerita”の略で「軽量化されたGT」という意味。さらにGTAmの“m”はイタリア語の“modificata”の略、つまり「改造済み」であることを表します。
創業翌年の1911年にレース活動をスタートしたアルファ ロメオは、第二次世界大戦後もF1世界選手権の初年度を圧倒的な強さで制したほか、公道レース、ツーリングカーレース、スポーツカーレースなどで華々しい戦績を残してきました。
そして1965年、アルファ ロメオはレースに参戦するためのベース車両を市販します。それが、初代「ジュリア・クーペ」をベースにした「ジュリア・スプリントGTA」と「GTA1300ジュニア」です。
この2モデルはエンジンなどに特別なチューニングを受けていましたが、最大の特徴はその車体。ボディをまるごとアルミニウム製とし、ベースとなった「ジュリア・スプリントGT」比で200kg以上もの軽量化を成し遂げていたのです。
当然、GTAはツーリングカーレースで猛威を奮い、発展版である「1750GTAm」、「2000GTAm」と合わせて世界中でいくつものタイトルを獲得します。まさに、アルファ ロメオの黄金期を築いた伝説的な存在であり、歴史的な名車でもあるのです。
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