まるでスクラップなのに!? ボロボロのR32型 日産「スカイラインGT-R」が米国で約200万円で登場 SNSでの反響とは
ボロボロなのになぜ!? R32GT-Rの価格が高すぎると話題
日産「スカイライン GT-R(R32)」は世界的に大人気モデルとなっており、数多くのコレクターが存在します。
このことから、販売価格が高騰し、今回発見された個体も例外ではありません。
アメリカでは過去数年で、日本車の国産スポーツカーの人気が激増し、取引価格が高騰しています。
国内でも数年前までは数百万円程度で買えた個体も、現在では1000万円を超えることも珍しくなく、状態の良い個体は数千万円で取引され、輸出されるようになりました。
これらのクルマはアメリカでは「JDM(Japan Domestic Market)」車と呼ばれ、高い人気を集めています。
人気が高まっている背景には、アメリカの25年ルールというものが存在し、これは生産から25年が経過したクルマに対して、アメリカ国内での安全基準などが免除になるというものです。
この安全基準などが免除されることで、今まではコレクションとしての保管やミュージアムなどでの展示に限られていた90年代の輸入車が、正式に公道での走行が可能となったことから、アメリカへと輸出される個体が増え、価格が高騰したという流れです。
この25年ルールは、特定の個体の生産月から25年が経過しているというのが基準となっているため、R32スカイラインGT-Rも適合されます。
そんなR32ですが、今回発見された個体は、錆びついた状態であるにもかかわらず、約200万円以上の価格設定となっていたことから、SNSで大きく話題となりました。
YouTubeでMotive Videoのホスト、Andrew Hawkins氏が記録したように、このGT-Rは日本のオークションの損傷ロットにあったものです。しかし、「損傷」という言葉は、この個体の状態を過大評価しているともいえるほど、実際のところはまるでスクラップのようなコンディションです。
フロントガラスとリアウィンドウがなく、いくつかのボディパネルがへこんでいます。また、サイドスカートの腐食や後部フェンダーの半分が消えるほどの錆により、末期的な状態です。
このクルマは公式にオンラインで出品されているものではなく、米国国内のオークションに登場したものです。Hawkins氏は、このクルマをオーストラリアにある自宅に安価な1万ドルのGT-Rプロジェクトとして輸送することを望んでいましたが、オークションは彼の見積もりを大幅に上回りました。
彼は約1万2000ドル(日本円で約176万円)まで入札しましたが、GT-Rの最高入札は1万8000ドル(約264万円)を超えるとされる最低価格に達しませんでした。
ATTESA全輪駆動システムやRB26DETTエンジンには本当の価値があるかもしれませんが、外側の錆が示す通り、駆動系も良い状態にないことが想定されます。
SNSでは、この個体について「スクラップに2万ドルも払う人がいるわけないだろ」「JDM文化は終わった」「昔は安く楽しめたのに今では高くて楽しめない」など、価格高騰に対してネガティブな声が寄せられていました。
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2024年1月からは、日産「スカイライン GT-R(R34)」も25年ルールに適合されるようになり、大きな注目を集めています。