VAGUE(ヴァーグ)

GRヤリスの心臓を移植しただけじゃない!「レクサスの小さな高級車」に追加された格上のスポーツ仕様「LBX モリゾウRR」のスゴさとは

スゴい「LBX」はどのようにして誕生したのか?

 レクサスの高級コンパクトSUV「LBX」のラインナップに加わった「LBX モリゾウRR(MORIZO RR)」は、ひと言でいえば“スゴい「LBX」”です。

レクサス新型「LBX モリゾウRR」
レクサス新型「LBX モリゾウRR」

 そんな特別なモデルが誕生したキッカケとはなんだったのでしょうか? チーフエンジニアの遠藤邦彦氏に尋ねてみると、「それは、モリゾウが乗るんだったら、『GRヤリス』のSUVかな」というひと言だったと教えてくれました。

 ちなみに「LBX」の開発コンセプトは「本物を知る人が素の自分に戻れ、気負いなく乗れる1台」です。「モリゾウRR」もそのコンセプト自体は不変ですが、主語が“豊田章男”ではなく“モリゾウ”に変わっているのがポイントです。

 とはいえ、「GRヤリス」のパワートレインを「LBX」に移植すればOK、というほど話は簡単ではありません。

 そこで遠藤氏は、開発を担当したレーシングドライバーの佐々木雅弘選手に走りの方向性について相談。結果、「いいとこ取りしましょう」という結論に達し、それを愚直に具体化したといいます。

 そんな「LBX モリゾウRR」をクローズドサーキットで試してみましたが、その印象は「GRヤリス」の美点とレクサス「LBX」の美点とがケンカすることなく、見事に融合しているというもの。先日、進化型「GRヤリス」が納車されたばかりの筆者(山本シンヤ)も、思わず嫉妬してしまうほどの仕上がりです。

 エンジンは、最高出力304ps、最大トルク400Nmを発生しますが、パワフルというよりもトルクフルに感じます。これは「モリゾウRR」の静粛性の高さと、シフトスピードとなめらかさをバランスさせた8速ATの制御によるものだと予想します。「GRヤリス」では野性味を感じさせる“G16E-GTS”型エンジンが、とても上品な特性に感じられたのは意外でした。

 日本市場向けのレクサス車では初の採用となるMTモデルは、「GRヤリス」に対して操作性がやや軽め。しなやかさを伴う節度感は「モリゾウRR」独自のフィーリングです。

 シフトダウン時に回転を合わせてくれる機能“iMT”は、進化型「GRヤリス」と同様、「クルマにゆだねてしまってもいいね!」と思えるくらい優秀な制御になっています。もちろんオフにもできるので、ムダな操作ともいえるMTの変速操作をあえて楽しむことも可能です。

「モリゾウRR」のフットワークは、雑味のない操舵感や、ノーズがスッとインを向くスッキリとした応答性、軽快感のあるクルマの動き、粘りのあるタイヤのグリップ感など、素の「LBX」に対して「ちょっと骨太な印象になったかな⁉」と感じられるレベル。正直にいってしまうと、高性能モデルでいながら、いい意味でそれを大々的にアピールしない「余裕」と「したたかさ」を感じます。

 さらに速度を上げていくと、「モリゾウRR」が秘めるホットな部分が顔を出します。しかし、決して熱血系ではなく、あくまでもクールな印象。例えば、あるコーナーを曲がる際、ステアリングを切り始めたときの応答がいいのですばやく旋回姿勢に持ち込み、荷重を4本のタイヤへ上手に分散させながらきれいに旋回していく……という一連のコーナリングの流れは「GRヤリス」と同じです。

 しかし、「トラクションをかけて!」といわんばかりに、とにかくすばやく旋回を完結させる「GRヤリス」に対し、「モリゾウRR」は時間(といってもごくわずか)をかけてでも、自然かつ素直に旋回させる……といった明確な違いを感じます。

 クルマの動きは基本的には安定志向で、「GRヤリス」のようなドラマチックな姿勢変化こそありませんが、かといって退屈なハンドリングではなく、アクセルとブレーキでしっかりと曲げることができる“自在性”も備えています。

 快適性については、サスペンションのバネ、ダンパーともに素の「LBX」より引き締められているものの、乗り心地はスポ―ツモデルだということを考えれば望外に優秀です。

 特に、サスペンションの沈み込ませ方や、ギャップを乗り越える際の“優しさ”、ドライバーの目線がブレないフラットなライド感などは、電子制御ダンパーに匹敵する完成度です。

 おそらく、硬いかやわらかいかではなく、路面からの入力をどう分散させ、人間が不快に感じさせない波長にするための絶妙なバランスが成り立っているのでしょう。

 つまり「モリゾウRR」は、世界で戦うパワートレインのポテンシャルをしっかり使い切りながら、普段はレクサス車らしくリラックスしてドライブできるクルマに仕上がっているのです。

Next開発ドライバーが語る「LBX モリゾウRR」が目指したものとは
Gallery 【画像】「えっ!…」これが格上の速さを誇るレクサス「LBX モリゾウRR」です(40枚)
「2段あたため」レンジがすごすぎるっ!? 最新レンジを徹底紹介

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

浅草発マイクロブランドの真価――クロノス広田雅将×ウォッチディレクター渡辺雅己が語る「誠実な時計づくり」とは【PR】

浅草発マイクロブランドの真価――クロノス広田雅将×ウォッチディレクター渡辺雅己が語る「誠実な時計づくり」とは【PR】

RECOMMEND