みんなのアイドル、フィアット500がついに累計5万台!
フィアット500は、かくして整備され、オーナーの元に届けられる
三河港に陸揚げされたフィアット500は、どのようにしてオーナーのもとに届けられるのだろうか。ビークル・プレパレーション・センター(VPC)での各種検査と整備について調べてみた。
VPCには、400台から500台(500以外の車両も含む)のクルマが陸揚げされ、整備を待っている状態だ。
まず最初におこなわれるのは洗車の作業。船旅での汚れを落とし、きれいに拭き上げられた車両は、外装検査と内装検査のラインにのせられる。検査ラインは40mあり、2本用意されている。この検査ラインはベルトコンベア方式だ。
まず外装検査では、塗装と立て付け、外装部品の検査がおこなわれる。また一部日本の保安基準のために部品が取り付けられる。たとえば、ナンバープレートを取り付けるフロントバンパーの改善がおこなわれ、ブラケットやナットが取り付けらるといった具合だ。
次に内装検査では、静的な検査がおこなわれる。ここで日本語のオーナーズブックがグローブボックスに収められ、日本語表記のラベルやステッカーなどが取り付けられる。
検査ラインで車両に問題があれば、リペア工程にまわされることになる。例を上げると、輸送中についた傷などが見つかればポリッシュなどのリペア工程に回される。ただし500の塗装は品質が高く、ほとんどポリッシュのリペア工程にまわされる車両はないそうだ。
次の室内クリーニングでは、オープンカーであれば幌にガードがつけられ、ここでシートカバーも取り付けられる。その後、保安基準の最終チェックである完成検査がおこなわれる。
完成検査を合格した車両は、11階建ての自動倉庫に保管される。倉庫のパレットにクルマを載せたあとは、自動でパレットがクルマを保管する仕組みだ。クルマはバーコードで管理され、出庫する際はこのバーコードを読み込むことで自動的に出庫できるようになっている。
高潮などによる被害が心配だが、自動倉庫に保管されるクルマは、2階以上に保管されるため安心とのこと。
イタリア本国から運ばれてきた500は、このようにしてオーナーの手元に届けられるのを待っているのだ。
2019年はフィアットの120周年という節目の年でもあった。そして500を含め、FCAの2019年度上半期の新規登録台数は、2018年上半期に比べて106%と好調だ。
120周年記念モデルが続々とリリースされている500だが、この後も魅力的な限定モデルの登場が予定されており、今後も何かと話題を振りまいてくれそうである。
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