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鎌倉の旧犬塚邸にクラシックな英国車が集合「アフタヌーンティー」を楽しむ大人のライフスタイル

鎌倉の歴史ある洋館でアフタヌーンティーを楽しむ

 古都鎌倉にある浄妙寺は、1118年に源頼朝の重臣、足利義兼により開山創建されたと伝えられ、日本遺産として登録されている古刹だ。明治維新の神仏分離令で鎌倉も多くが廃寺となり、その跡地は富裕層向けの別荘地として分譲され、当時の世相を反映していたのか建てられた建物の多くは洋館であった。いま、現存する洋館を巡る鎌倉散策に多くの観光客が訪れている。

洋館前に並んでいるのは「MG-TD」と1963年モーリス「1100」
洋館前に並んでいるのは「MG-TD」と1963年モーリス「1100」

 そうしたなかの一軒に、浄妙寺の所有となっている当時の貴族院議員犬塚勝太郎氏の自宅として建てられた旧犬塚邸がある。この犬塚邸もほかの多くの洋館と同様に非公開で廃れていく一方であったのだが、保存という観点から「鎌倉石窯ガーデンテラス」として2000年にオープンし、一般に開放されることになった。1階部分はレストランとなったためリフォームされているが、2階部分は建築当初のままの姿が残されている。

●雨もまたよしの午後の紅茶

 その旧犬塚邸が築100年を迎えるということもあり、鎌倉市佐助で長年喫茶店「ブンブン紅茶店」を営む小木曽栄さんが提案したのが、同地でのアフタヌーンティーを楽しむ会である。

 ブンブン喫茶店のマスター小木曽さんはヒストリックカー趣味人としてもよく知られた存在。かつてはモータースポーツに夢中だった小木曽さんであるが、その当時から、成熟した自動車趣味は自動車を目的としたものではなく手段であり付随する文化を楽しみ、仲間と交流することにこそあると思っていたそうだ。

 旧犬塚邸はスコットランド人ガーデンデザイナーの手がけた自然豊かな庭など、当然ながら英国車で乗りつけアフタヌーンティーを楽しむにはもってこいのロケーション。

 当日は朝から雨が降ったり止んだりの天気にも関わらず、ブリティッシュウェザー大歓迎といわんばかりに幌をかけずオープンで来場する参加者もおり、悪天候すら大いに楽しんだ様子。

 そしてブンブン喫茶店を一緒にお店を切り盛りする小木曽さんの姉、初鹿野みのぶさんは日本紅茶協会認定のシニアティーインストラクターでもある。この日もアフタヌーンティーの歴史やマナーから英国史まで、参加者たちの興味のある内容を解説してくれた。

 そして鵜飼牧子さんによるヴァイオリン演奏の美しい調べがしっとりとした雰囲気をさらに演出。お茶と会話を楽しんだ後は、100年前と変わらぬ館内2階を見学するなど、楽しい午後のひとときを過ごした。

 小木曽さんによると鎌倉湘南エリアには、たくさんヒストリックカーが似合う場所があるという。そこで、これからも今回と同様の企画を定期的に開催予定とのこと。クルマを軸としながらもライフスタイルを楽しむ大人の集い、興味のある方はブンブン紅茶店まで問い合わせてみてはいかがだろうか。

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