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小川の雑魚と侮れない! ルアーの新分野“チャビング”って何? どうやって遊ぶの?

名作ルアーの元ネタにもなった“チャブ”ってなに?

“チャブ”とは、カワムツやオイカワ、ウグイを表す英名。往年のルアーマニアには、名作プラグ「クリークチャブ」がモチーフとした魚と言えば話が早いかもしれません。

 ブラックバスのワールドレコードを仕留めたことでも知られるクリークチャブが模しているのが、身近な河川に棲むカワムツやオイカワ、ウグイだったというわけなのでしょう。

表層を探っていたスピナーをひったくるようにバイトしてきたウグイ。魚体は小さくてもゲーム性が高いのがチャビングの魅力
表層を探っていたスピナーをひったくるようにバイトしてきたウグイ。魚体は小さくてもゲーム性が高いのがチャビングの魅力

 チャブは体長12cm前後、大きくても20cm程度と小ぶりですが、意外なほど積極的にルアーにアタックしてくる雑食系フィッシュイーターでもあります。そんな、身近な里川にも生息するチャブたちをルアーで狙わない手はないと、最近チャビングが注目されているというわけです。

使用するルアーは、1〜3g程度のスピナーやスプーンがメイン。写真上段はスミスの「AR-S 1.6g」(各770円)、下段はスミスの「ピュア 2g」(594円)
使用するルアーは、1〜3g程度のスピナーやスプーンがメイン。写真上段はスミスの「AR-S 1.6g」(各770円)、下段はスミスの「ピュア 2g」(594円)

●ルアーはトラウト用を流用。フックはシングルバーブレス

 チャビングに使うルアーは、1〜5g程度のスプーンやスピナー、シンキングミノーなど、エリアトラウト用のルアーが流用できます。ビギナーにはとくにスピナーが使いやすく、ゆっくりと巻くだけでブレード(羽)が回ることで確実に魚を引き寄せるパワーに驚かされるはずです。

 ひと手間かけて交換してほしいのがフック(釣り針)で、トリプルフックは根がかりしやすいだけでなく、小さなチャブの口から外しにくいので、バーブレスのシングルフックにしておくとスムーズです。

 経験上、ほぼリアのフックで釣れることが多いので、筆者はミノーもシングルフックにしています。そのほうがライントラブルも軽減できるので快適。重量バランスが気になる場合は、スプリットリングを足せばOKです。

超軽量ルアーを扱えるベイトフィネスタックルなら、チャブの繊細さをダイレクトに感じ取れる。写真のロッドはAbuGarciaの「エラディケーターEBTC-55ULT-ST」(4万1800円)、リールはAbuGarciaの「ZENON(ゼノン)LTX-L」(4万7850円)
超軽量ルアーを扱えるベイトフィネスタックルなら、チャブの繊細さをダイレクトに感じ取れる。写真のロッドはAbuGarciaの「エラディケーターEBTC-55ULT-ST」(4万1800円)、リールはAbuGarciaの「ZENON(ゼノン)LTX-L」(4万7850円)

●ウルトラライトタックルで繊細なゲームを堪能

 タックルはエリアトラウトやアジング用が使いやすいです。ロッドはウルトラライト(UL)からエクストラウルトラライト(XUL)クラスが最適。リールは小型の1000番〜2000番前後で、流れがあるフィールドが多いので、巻き速度の速いハイギアかエクストラハイギアだと余裕があります。

 繊細なタックルで狙えるのがチャビングの醍醐味ですが、ラインだけは別。自然河川はトラウトエリアとは異なり、立木や岩などの障害物が多く、流域には大型のコイなども生息しルアーを追ってきます。

 そんなサイズの魚が相手だとトラウト用のラインでは不安なので少々太めを選びます。筆者の場合は、PE0.8〜1.0号に、8〜10lbのナイロン製ショックリーダーを合わせています。そういった強めのラインシステムを扱いやすいベイトフィネスタックルもチャビングには向いています。

住宅地の近くを流れる小川でも釣れちゃいます。地域にもよりますが、厳冬期を除きほぼ通年釣れるのも大きな魅力です
住宅地の近くを流れる小川でも釣れちゃいます。地域にもよりますが、厳冬期を除きほぼ通年釣れるのも大きな魅力です

●上流に向かって投げる“アップクロス”で探る

 釣り方は、流れに対しやや上流方向の“アップクロス”に投げ、水流にルアーをなじませながら巻いてくるだけ。巻き速度はルアーがバランスを崩す寸前のハイスピードから始め、アクションする最低限の遅さへと徐々にスローダウンしていきます。ルアーが下流を向いている状態では水の抵抗が少ないので、よりレスポンスのいいルアーを選ぶことが重要となります。

 ルアーをピックアップする寸前に足元でバイトしてくることも多いので、最初のキャストは岸ギリギリに立たないのがコツ。最後まで気を緩めないで巻いてくるのもセオリーです。

 地域にもよりますが、ほぼ通年釣れるのも大きな魅力で、「こんな細い流れの川にもいるの?」と思うような場所でも実績があります。気になる場所があったら、ぜひルアーを通してみるといいことがあるかもしれません。

Gallery 【画像】ルアーの新分野“チャビング”の楽しみ方を見る(12枚)
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