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1億5000万円でも流札! ハイブリッドのマクラーレン「P1」は人気薄!?

元祖アルティメットシリーズの評価はいかに

 またF1マシンと同様のプロセスで開発、そして製作されるCFRP製のモノコックは、「MP4-12C」がタブ状であったのに対して、ルーフ部までを一体構造とするデザインで、マクラーレンはこれを「モノケージ」と呼ぶ。単体重量はわずかに90kgだ。

  • 2013年のデビュー当時、1億円を切るプライスで話題になったマクラーレン「P1」(C)Silverstone Auctions Limited 2021

●2013 マクラーレン「P1」

 そしてパワーユニットの構成も、また興味深い。MP4-12Cから、ターボの大型化など、さらにチューニングを進めた3.8リッター仕様のV型8気筒ツインターボエンジンに、エレクトリックモーターを組み合わせたというのがそのシステムの概略だ。

 注目の最高出力は、エンジン単体でも737psを発揮するが、さらにエレクトリックモーターが179psで、必要時にはこれをサポートする仕組みとなっている。一方、エンジンを停止させたゼロエミッションでのEV走行も最大で約10km可能だった。

 モノコックの後部に搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は4.7kWhで、これはエンジンからのほかに、家庭用電源からの充電も可能。すなわちP1は、PHEVのハイパーカーの嚆矢でもあるのだ。

 前後のサスペンションは、MP4-12Cのそれをさらに進化させたもので、レースアクティブ・シャシ・コントロールと呼ばれる。これはロールとピッチを油圧によってアクティブ制御するシステムである。

 当時のマクラーレンのF1マシンと同様に、日本の曙ブレーキがサプライヤーとなるカーボンセラミックブレーキも、当時非常に注目された。

 P1ははたしてオンロードで、そしてサーキットでどのような走りを披露するのか。そのステアリングを握るチャンスが訪れることを期待し、オークションは白熱したが、残念ながらその数字がリザーブ(最低落札価格)に届くことはなかった。

 その後、96万ポンド(邦貨換算1億4700万円)で売りに出されていたが、成約には至らなかったようだ。

 マクラーレンのアルティメット・シリーズのなかでも、P1は比較的人気があるのではと予想していただけに、この結果は意外なものだった。

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