VAGUE(ヴァーグ)

【第3章|“極める”とは何か──ブランド名に込めた哲学】

「KIWAME TOKYO ASAKUSA」という名前には、「突き詰める」「磨き上げる」、そして「極める」ことへの信念が込められています。

 このブランドが掲げるのは、誠実なものづくり。一時の流行やスペック競争に迎合せず、「何を足すか」ではなく「何を削るか」に重きを置いたデザインを追求しています。

  • 一見、シンプルなデザインに秘められた数々のこだわり

 針の長さ、インデックスの太さ、ベゼルの段差、リューズの形状。それらひとつひとつの要素に、意味と役割が宿るように設計されています。

 とりわけ印象的なのが、文字盤の質感や色の選定に対するこだわりです。たとえば「黒月」に用いられているブラックラッカーダイヤルは、光を深く取り込むような奥行きを持ち、わずかな艶感が共存する特別なラッカー仕上げとなっています。

 このように、「KIWAME TOKYO ASAKUSA」は“静のデザイン”をテーマにしながらも、観察すればするほど発見のある、奥行きのあるプロダクトを目指しています。

「KIWAME TOKYO ASAKUSA」をより深く知る!

【第4章|なぜ浅草なのか、なぜ今なのか──渡辺雅己が語る「KIWAME」の動機】

「やっぱり、日本で自分のブランドを立ち上げたいという気持ちは、ずっとあったんですよ」

 これまで“人の時計”を売る立場だった渡辺さんが“自分の時計”を作ろうと思った理由の一つです。

  • ショールーム内には時計師が常駐し、一本一本丁寧に組み立て作業を行っている
  • 「いつでも遊びに来てください」とスタッフ一同

「先ほど申し上げたように、いろんなブランドを扱ってきて、いい時計もたくさん見てきた。でも、逆に“どうしても好きになれない時計”っていうのも、けっこうあったんです。

 それはスペックとか価格ではなく、“考え方”の部分。売れることばかりを考えて、本来あるべき美しさやストーリーを削ってしまっているものも多いと感じていて……。

 だったら、自分が納得できる形で、一度ちゃんとブランドをやってみたい。そう思ったのが『KIWAME TOKYO ASAKUSA』のきっかけです」

  • 時計師が情熱を込めて時計を組み立てる様子も、実際の店舗では眺めることができる
  • アプライドインデックスの立体感も、今回の見どころ
  • 試作のダイヤル。理想の色味を実現するまで、何度も試行錯誤が行われた

 そして、なぜ拠点が“浅草”なのかという問いに対しては、次のように答えました。

「浅草の空気感って、伝統と現代性が不思議に共存しているんです。クラシックでありながら、新しさも受け入れる。そういう場所だからこそ、僕たちが描く“日本的マイクロブランド”の哲学とも自然に合ったんだと思います」

 ブランド名やデザインだけでなく、拠点となる「場所」にも意志を込める。その考えのもと「KIWAME TOKYO ASAKUSA」は浅草からスタートすることとなったのです。

「KIWAME TOKYO ASAKUSA」をより深く知る!

【第5章|市場を見つめ、未来を描く──「KIWAME TOKYO ASAKUSA」が目指すもの】

「KIWAME TOKYO ASAKUSA」は、浅草の一角から始まった静かな挑戦ですが、その視線の先には、世界市場が広がっています。

  • 裏ぶたにはブランドを象徴する「極」の文字が刻印

 日本で生まれ、日本で組み立てられたこの時計は、「和」の演出に頼ることなく、日本的な“構造美”と“職人精神”を通じて、グローバルに通用する価値を追求しています。

「海外の時計好きの人たちに、“日本にもこんなブランドがあるのか”と思ってもらえたらうれしいですね」と渡辺さんは語ります。

 そのためにも、最初のモデルはあえて“語りすぎない”デザインを目指したといいます。

「手に取ったとき、『なんか良いな』と思ってもらえるような、そんな時計にしたかった。だから、スペックや説明を先に出すより、まず“たたずまい”を大事にしたかったんです」

 時計というのは、時間を知るための道具であると同時に、その人の価値観を表す“記号”でもあります。

「KIWAME TOKYO ASAKUSA」が提案するのは、「何を語るか」ではなく、「どう在るか」という価値基準。その静かで強い問いかけが、これからの日本製時計に新たな選択肢をもたらしていきます。

店舗情報
<KIWAME TOKYO ASAKUSA ショールーム>
東京都台東区寿4-12-7第一矢口ビル2F
月-金曜日 10:30AM-5:30PM(定休日:土日祝日)
問い合わせメール: [email protected]

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三宅隆
三宅隆
VAGUE編集長
1978年生まれ。モノ・ライフスタイル誌等の編集部を経てWebメディア『VAGUE』編集長に就任。スイスで行われる世界最大の時計見本市「Watches & Wonders Geneva」を取材するなど、腕時計からモビリティ、最新家電、アウトドアまで大人の審美眼にかなうモノを幅広く追究。自らもキックボクシング歴17年の非常勤インストラクター(KNOCK OUT GYM)として活動し、ビジネスパーソンにウェルネスを提唱。「自分らしく輝く」ために自らをデザインする前向きな生き方の基準として、心身を整える実践者の視点を交え、自分らしい豊かさへの指針を発信中。

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