VAGUE(ヴァーグ)

語り継がれるべきレガシー プロマスターが守り続ける「信頼の遺伝子」

 本格スポーツウオッチとして、世界中のプロフェッショナルや冒険家たちから絶大な信頼を寄せられているシチズン「プロマスター」。

 このブランドには、時計ファンの間で今も熱く語り継がれる「本物のレガシー」が存在します。

  • 1983年、オーストラリアの海岸で発見された、1977年発売の自動巻きダイバーズウオッチ「チャレンジダイバー」

 それは1983年のこと。オーストラリアの海岸で、1本のダイバーズウオッチが発見されました。驚くべきことに、その時計は全身をフジツボにびっしりと覆われながらも、引き上げられた際に力強く、動き続けていたのです。

 1977年に発売されたシチズンの「チャレンジダイバー」(通称:フジツボダイバー)の、いかなる過酷な環境にも耐える圧倒的な堅牢(けんろう)性を証明した、あまりにもロマンあふれる伝説的なエピソードです。

 この「フジツボダイバー」が証明した「圧倒的な信頼性」という遺伝子は、現在のプロマスター「MARINE」シリーズにも、美しく息づいています。

 今回紹介する2026年夏の最新ダイバーズウオッチは、プロマスターが培ってきた高機能な信頼性を、現代の日常やアクティブなリカバリーへと落とし込んだ「Eco-Drive DIVER 200m」です。

  • シチズン「プロマスター」の最新ダイバーズウオッチ「Eco-Drive DIVER 200m」。カラーバリエーションは4種だ。左から「BN0265-00A」「BN0266-07E」「BN0267-04L」「BN0268-01E」

 本作は、新開発のムーブメント「Cal.E118」を搭載しています。エネルギー効率が大幅に向上したことで、フル充電時の持続時間は約1年へとスペックアップ。

 これにより、ひと夏のフル充電で、次のシーズンまで安心して使い続けることができます。

  • 高い視認性を追求した文字板と新開発ムーブメント「Cal.E118」を採用した「Eco-Drive DIVER 200m」。画像は「BN0266-07E」

 さらに、消費電力を抑えたことで、これまでのモデルよりも発色の良い文字板を採用できるようになりました。

 文字板はプレーンな仕上げにすることで、インデックスや針との明暗のコントラストがはっきりと分かれ、水中や暗所、あるいは日差しの強い屋外でも圧倒的な視認性を確保。

 風防には高い耐傷性を誇るサファイアガラス(無反射コーティング)を採用し、外側と内側のカラーが異なるベゼルは逆回転防止となっており、水中での誤作動を防ぎます。

 そして肌に直接触れるバンドには、環境に配慮したバイオマス素材でありながら、高い耐久性を誇る「BENEBiOL™(ベネビオール™)」ウレタンバンドを採用しています。

  • ケース径は40.6mm、厚さは11.7mmというスマートで扱いやすいサイズ感

 本格的な200m潜水用防水(ISO規格準拠)のスペックを備えながらも、やぼったさを削(そ)ぎ落とした正統派のデザインは、日常のコーディネートにも洗練された印象を与えてくれます。

プロセーラー・伊藝徳雄の原点。過酷な嵐の夜に知った大人のすごみ

 そんなプロマスターを腕に、海辺へ現れたのは、プロセーラーの伊藝徳雄さんです。

 アメリカズカップ2000の日本代表セーラーとして世界で戦い、現在はプロの活動と並行して、セーリングイベントの企画運営や若手育成、体験セーリングプログラムを通じた人材育成などを手がける、まさに「海とビジネス」の第一線に立つ人物です。

  • 伊藝徳雄(いげい・のりお)さんは(有)伊藝/ 伊藝ヨットサービスの代表を務める傍ら、日本ヨットマッチレース協会会長という要職にも就いている。今年は“セーリング版ワールドカップ”とも呼ばれる国際大会「SSL ゴールドカップ 2026」にも出場予定だ

 伊藝さんと海との出会いは、どのようなものだったのでしょうか。

「もともと16歳からサーフィンをやっていて海は身近だったのですが、ヨットに出会ったのは21歳のときです。ヨットに乗れば世界中に行ける、国境を越えてアクセスできる場所があるのだと知り、一気に引き込まれました。

 平日はヨット関連のアルバイトをし、週末は静岡県沼津のヨットチームに片道1時間半かけて通い詰める日々が始まりました」

  • いかにして自分が海に身を置こうと思ったのか、伊藝さんは熱く語ってくれた
  • バンドにはバイオマスウレタン「BENEBiOL™(ベネビオール™)」が採用されている。従来のウレタンにありがちなゴワつきがなく、驚くほどしなやかで、ぬれた肌にもピタッとなじむ

 そんな伊藝さんが、自身のキャリアを「セーリングで生きていく」と決定づけたのは、初めて参加したオフショア(外洋)レースでの過酷な「嵐の夜」だったと言います。

「愛知県から三浦半島を目指す『鳥羽レース』に出場したときのことです。台風並みの天候不良で、海は大荒れでした。寒さと激しい揺れによる疲労で、まだ若かった私は何もできず、ついに船の中に引っ込んでいることしかできませんでした。

 100艇近くがエントリーして、無事にフィニッシュできたのは数艇という、すさまじいコンディションです。

 私たちの船もリタイアを決め、夜を明かしてホームポートに這(は)うように帰ってきました。ボロボロになって疲れ果てていた私を待っていたのは、信じられない光景でした。

 過酷な嵐を乗り越え無事に帰港した先輩たちが、船の中で安堵(あんど)の笑みを浮かべながら、にぎやかにお酒を酌み交わしていたのです。

 陸の上なら、若くて体力のある私の方が絶対に動ける自信がありました。でも、海の上での極限状態では大人の精神力にまったく歯が立たなかった。その驚きと、なんて格好いい大人がいるんだという衝撃。この世界に骨を埋めようと心に誓った、私の原点です」

  • 相模湾で開催された「ジャパンカップ2017」の様子(撮影:© Kazushige Nakajima)

セーリングという「引き算」の哲学 命を守る完璧な準備と道具の信頼性

 風向き、潮の流れ、気象、波。刻一刻と変化し、人間の思い通りにはならない大自然と対峙(たいじ)するセーリングは、一歩間違えれば大きなトラブルに直結します。

 伊藝さんはプロセーラーであると同時に、船のロープ(ライン)やマスト、細かな金属パーツなどの艤装(リグ)をミリ単位で製作・調整する道具の専門職人「リガー(Rigger)」としての顔も持っています。

 だからこそ、道具の信頼性に対するこだわりは人一倍です。

  • 伊藝さんはプロセーラーであると同時に、艤装(ぎそう)品の製作や調整を手掛けるリガーとしても活動。洋上では“命綱”となる道具へ全幅の信頼を寄せる

「セーリングという、道具を極限まで使いこなすスポーツの本質は、何かを付け足すことよりも、トラブルの要因となるマイナスを徹底的に削ぎ落とすことにあります。

 ロープ1本のほつれ、ハッチのわずかな緩みが、荒れる海の上では致命的な事故を引き起こします。

 事前にできる限りの完璧な準備を整えること、そして、手元にある道具が絶対に自分を裏切らないという信頼性があるからこそ、私たちは臆することなく判断を下し、自らの限界を超えていくことができるのです」

  • 洋上では、持ち出した道具に自らの命を預けなければならない(撮影:宮崎克彦)

 その伊藝さんのプロセーラーとしての歩みの中に、常に寄り添っていたのがプロマスターの前身ブランドであるスポルテのヨットレースウオッチでした。

  • 1988年発売の「スポルテ ウインドジャック」。伊藝さんはこの“相棒”を腕に、プロセーラーとしてのキャリアを積んでいた

「実は以前、シチズンの『スポルテ ウインドジャック』を長く愛用していました。

 1985年の『スポルテ ウインドジャック』から続くシチズンのヨットレースウオッチの歴史は有名ですが、カウントダウンから自動でカウントアップに切り替わるヨットタイマー機能は、秒刻みのスタートラインの攻防において、絶対的な信頼を寄せるパートナーでした。

 海の上の過酷な環境で、潮風や水しぶきを浴び続けてもびくともしない。プロの現場でリアルに使える時計としての魅力を、身をもって知っています」

海のプロがうなる最新ダイバーズウオッチ
「プロマスター」の詳細をチェック!

Nextプロセーラーの眼識が認めた「Eco-Drive DIVER 200m」の実用的真価
Gallery 【写真】「プロマスター」の最新ダイバーズウオッチ「Eco-Drive DIVER 200m」のディテールをチェック!(18枚)
三宅隆
三宅隆
VAGUE編集長
1978年生まれ。モノ・ライフスタイル誌等の編集部を経てWebメディア『VAGUE』編集長に就任。スイスで行われる世界最大の時計見本市「Watches & Wonders Geneva」を取材するなど、腕時計からモビリティ、最新家電、アウトドアまで大人の審美眼にかなうモノを幅広く追究。自らもキックボクシング歴17年の非常勤インストラクター(KNOCK OUT GYM)として活動し、ビジネスパーソンにウェルネスを提唱。「自分らしく輝く」ために自らをデザインする前向きな生き方の基準として、心身を整える実践者の視点を交え、自分らしい豊かさへの指針を発信中。

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