自由席がなくなる!? 年末年始の新幹線「のぞみ」全席指定席化で この冬の帰省はどうすればいい?
予約なしに“並べば”座れる自由席をなくす理由
まもなく、コロナ禍が明けてはじめての年末年始を迎えます。移動や会食の自粛ムードもなくなり、この年末年始はひさしぶりの帰省を予定している人も多いでしょう。
ところが9月なかば、そんな年末年始の移動に大きなインパクトを与えるニュースリリースが、JR東海、JR西日本から発出されました。
それは東海道・山陽新幹線の「のぞみ」号を、「全席指定席(自由席設定なし)」で運行するというものです。
このリリースにおいて両社は、3大ピーク期(ゴールデンウィーク、お盆、年末年始)に「指定席が早い段階で満席になること」「始発駅以外の駅から乗車の場合は着席や乗車ができないこと」「自由席を待つため長時間並ぶこと」「自由席の乗降に時間がかかり列車の遅れが発生すること」などの事象を挙げ、その対策として、これまで1編成(16両)あたり3両あった自由席をなくして指定席の供給を約2割増やすとしています。
のぞみの全席指定席化は2023年12月28日から2024年1月4日までの8日間となっています。
これにより「予約を取りやすくする」「着席しての旅行を可能とする」「乗降もスムーズにして列車の定時運行につなげる」などの効果が生まれるとアピールし、この年末年始が、その実施の第一弾になるとしているのです。
たしかに指定席の供給量が増えることは、“予約しやすさ”につながり、利用者にとってメリットとなります。
しかしその一方で、これまで「並べばなんとか乗れていた」という自由席がなくなるため、帰省を予定しているのに「のぞみ」の指定席を予約できなかった人は、指定席券なしでも乗車が許されることになっている「のぞみ」の普通席デッキ部分に立って移動するか、本数が少なく、移動時間もかかる「ひかり」「こだま」を利用するしかないという、大きなデメリットを抱えることにもなりかねません。
東海道新幹線・山陽新幹線の指定席券の発売は、「スマートEX」「エクスプレス予約」を除き、原則として発車する日の前月の同じ日ですが、12月初旬には、年末の「のぞみ」の指定席の予約はかなり進んでおり、すでに満席となっている列車も少なくありません。
つまり、うかうかしていると、前述のように「立ったまま」もしくは「時間のかかる」、辛い移動を強いられることになってしまうのです。
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