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タグ・ホイヤー「カレラ」の日本限定モデルには“裏勝り”にも通ずる粋な心が宿る

ベースとなっているのは人気モデルの「カレラ キャリバー ホイヤー02 スポーツクロノグラフ」

 タグ・ホイヤーの象徴ともいえる“カレラ”。モータースポーツと深いかかわりのあるこのモデルについて、時計ジャーナリストの渋谷康人氏はこう語る。

「カレラは1960年代から1970年代に、レース界とブランドの深い関係を築いた、タグ・ホイヤーの創業家直系、4代目社長のジャック・ホイヤー氏が、1950年代にメキシコでおこなわれた伝説の公道レース『カレラ・パメリカーナ・メヒコ』にインスパイアされて作ったレーシングウォッチに始まります。タグ・ホイヤーとモータースポーツの深い関係を築くきっかけになった、タグ・ホイヤーの歴史を象徴するコレクションです」

 モータースポーツとともに歴史を歩んできたカレラも、時代のニーズに合わせて変化し、今ではカジュアルにもビジネスにも対応する、多くのラインナップを展開している。

 今回発売される日本限定モデルもそのひとつであり、ベースになっているのは2020年に登場した「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 スポーツクロノグラフ」。

 その特徴は、名前にもある自動巻きクロノグラフムーブメント「キャリバー ホイヤー02」にある。

「キャリバー ホイヤー02は、クロノグラフをコントロールする機構に高級なコラムホイールを採用し、スタート時の針飛びが起きない垂直クラッチを採用するなど、価格を超えるスペックを備えたタグ・ホイヤーが開発・製造した最新の自社製クロノグラフムーブメントです」(渋谷氏)

 この最先端のムーブメントは、コラムホイールやバーティカルクラッチを含む168個のコンポーネントから成り、約80時間というロングパワーリザーブを備えている。

  • 時計を外した際にのみ現れるグリーンカラーに“粋”を感じる一本

●漆黒のなかで一段と映える萌黄色のサファイアクリスタル

 やはり目を引くのはオールブラックのカラーリングだが、ケースバックにも趣向を凝らした仕掛けが。そのデザインについて渋谷氏に伺った。

「ブラックDLC加工の精悍なケースにプラック文字盤、ブラックインデックス、ブラックのアリゲーターストラップと、すべてブラックでまとめた、時計業界で不動の人気の“オールブラック”モデルです」

 DLC加工とは“Diamond Like Carbon(ダイヤモンド・ライク・カーボン)”の略で、ダイヤモンドと黒鉛の中間である硬質な薄膜を纏わせる表面処理のこと。オールブラックのダイアルは視認性が気になるところだが、サーキュラーサテン仕上げのダイアルと、質感のことなる光沢を抑えた針やインデックスが立体感を生み、しっかりと時刻を把握することが可能。夜光塗料も施されているので夜間の視認性もバッチリだ。

 そして、当モデルの特徴ともいえるケースバック。

「ムーブメントを眺めることができるケースバックのサファイアクリスタルを、日本の伝統色、春の若葉の色である萌黄色(もえぎいろ)にしています。一昨年頃から時計界で流行、人気のグリーンカラーでも、ケースバックにだけという粋な趣向です」

 近年増えているグリーンダイヤルなど、注目カラーであるグリーンを普段は見ることのできないケースバックに使用。同じムーブメントでも、萌黄色を通して見ると、メカニカルなパーツに生命感が宿ったような、違った印象を受けることだろう。

 見えないところのオシャレにもこだわった日本限定モデルのカレラ。裏地に高価な生地を使った“裏勝り”の着物にも通ずる、日本の“粋”を感じずにはいられない。

<商品仕様>
ケース径:44mm ケース:スティール&セラミック サテン/ポリッシュ仕上げ
ストラップ:アリゲーターレザー
ムーブメント:キャリバー ホイヤー 02
駆動時間:パワーリザーブ80時間
防水性能:100m
販売数:300本限定

Gallery 【画像】ケースバックにグリーンを配した日本限定カレラ(4枚)
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