「ニュル24時間耐久レース本番でも上位に食い込む実力を持っている」
では、そのニュルブルクリンクが持つ「市販タイヤの技術にもつながるさまざまな要素」とは、どんなものなのでしょうか。
「レース関係者やタイヤ開発者の間では、『ニュルで24時間走れば、一般道で1年かけたテストと同等のデータが得られる』と、よく言われています。全長約25km、高低差が約300m、場所によって天気が異なることも珍しくありません。実際これまでのニュル24hでも、ドライ路面を気持ちよく走っていたら、『1km先は雪になってるから気をつけろ』なんて無線が飛び込んできて驚いたこともあるんです。そのときは実際に路面を覆うような降雪で、超徐行するしかありませんでした。それでも上り坂になったらぜんぜんグリップせず、コース内でスタックしちゃって。こんな経験、ニュルでしかありえません(苦笑)」(木下選手)
そしてこうした『1周約25kmにあらわれるさまざまなシチュエーション』が、タイヤ開発に大きく役立つと言います。
「1周のうちにドライあり、ウェットありということで、あらゆる路面コンディションに対応できる性能がタイヤには求められます。
また給油でピットインするごとにタイヤを履き替えますが、そのインターバルはだいたい1時間、周回数にして6〜8周です。つまり厳しいコンディションで150kmから200km耐え、高い性能をキープし続けなければ、上位争いに加わることはできないんです。そしてさまざまな舗装で安定して性能を発揮することは、日本、アメリカ、ヨーロッパ各国など、国ごとに異なる舗装のコンディションに高いレベルで適応することにもなります。
つまりニュルで上位を争うタイヤを作ることは、優れた市販タイヤの設計につながる技術を磨くことにもなるのです」(木下選手)
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木下選手は、すでに参戦したNLS2戦(2ndラウンド、3rdラウンド)で、PROXES(プロクセス)の実力を見いだしています。
「NLSはこれまで3戦行われましたが、1stラウンドは雪の可能性が高く、満足に走れないことも考慮してパス、続く2戦で先に述べたようなコースの確認と自身の習熟を行いました。初戦となった2ndラウンドでは3位表彰台をゲット、3rdラウンドは給油タイミングの不運もあり表彰台を逃しましたが、同じチームのもう1台が3位を確保しました。
連続での表彰台は、クルマとタイヤが本番(ニュル24h)でも上位に食い込む実力を持っていることを示しています。またこの2戦、6人のドライバーが誰もコースアウトしていないという事実は、クルマとタイヤの扱いやすさを示し、24時間走りきれるであろうという心強い裏付けになっています」(木下選手)
最後に、2023年5月18日から開催されるニュル24h本番でどのように戦うか、その意気込みをうかがいました。
「まず何より、NLS2戦での経験を生かし、100%の力で臨みたいと思います。もちろん、耐久とはいえレース時間が4時間で気温や天候が比較的安定したNLSに比べ、ニュル24hは昼夜の温度差、さらに天候の変化も激しくなり、完走の難易度は格段に上がります。
しかしその難しさに挑むことが自分自身のモチベーションになっていると強く感じています。日本人ドライバー、そしてトーヨータイヤは、ニュル24hではメジャーな存在ではありませんが、ほかのチームが驚くような走りでしっかりとした足跡を残したい。そしてその延長線上に『優勝』の2文字があれば最高だと思っています。
当日は公式サイトでのライブ中継もありますし、国際映像では分かりにくいチームの動きは、トーヨータイヤのインスタグラムでリアルタイムに更新されます。ご声援、ぜひよろしくお願いします」(木下選手)
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