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歴史的なレーシングマシンが集結! クルマ好きの新聖地「富士モータースポーツミュージアム」の全容とは

メーカーの垣根を超えた世界的な名マシンが集結

「富士スピードウェイ」の敷地内に誕生した「富士モータースポーツミュージアム」に訪れて驚いた。地下駐車場から乗ったエレベーターの扉が開き、エントランスに向かおうと歩き出したら、とんでもないモノが目に飛び込んできたからだ。

「『トヨタ7』……! しかもターボ仕様の『トヨタ7』が額装されてる!!」

メーカーの垣根を越えたマシンの数々とわかりやすいディスプレイに圧倒されるクルマ好きの新聖地「富士モータースポーツミュージアム」
メーカーの垣根を越えたマシンの数々とわかりやすいディスプレイに圧倒されるクルマ好きの新聖地「富士モータースポーツミュージアム」

 見る限りでは1970年の最終型。アメリカのCan-Amシリーズを目指しながら結局は実戦投入前に計画中止となってしまった悲劇の800psターボ仕様。それが額装されてるみたいに立てかけられている。聞けば、当時のスペアだったエンジンとトランスミッションとリアウイングを使ったいわゆるレプリカということだけど、その出来栄えは素晴らしい。

 しかもこの額装は、エレベーターからだけじゃなく、建物のメイン入口からエントリーしても最初に目に飛び込んでくる位置に配置されてるのだ。お出迎えの役目を「トヨタ7ターボ」がになっている、というわけだ。

 富士モータースポーツミュージアムは富士スピードウェイの敷地内、最終コーナーの外側にあたる部分に誕生した、その名のとおりモータースポーツをテーマとする世界的にも珍しい自動車博物館だ。2022年10月7日にオープンした「富士スピードウェイホテル」の1階と2階を占める形で併設されている。

 そんなところから推測できるだろうが、このミュージアムはトヨタ自動車と富士スピードウェイ、トヨタ不動産による“富士モータースポーツフォレスト”プロジェクトの一環として計画が進められてきたものだ。監修はトヨタ博物館がおこない、初代館長は現トヨタ博物館の館長でもある布垣直昭氏が兼任している。

 というと、トヨタ関連のマシンばかりが展示されてると想像されるかもしれないが、トヨタ博物館がそうであるように、こちらの展示もメーカーの垣根を越えている。「あれ? このマシンはドイツ・シュツットガルトの『ポルシェ・ミュージアム』の所蔵だったはず……」、「こっちはイタリア・アレーゼの『ムゼオ・ストリコ・アルファロメオ』で見た気がするんだけど……」。そんなふうにおよそ半分の展示マシンが、国内外のメーカーに協力を仰ぎ、期間限定ではあるが貸与されて館内に収められているのだ。

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