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グーグルマップよりも使いやすくなった!? 進化したアップル純正「無料地図アプリ」の現在の実力とは

地図データをダウンロードして、オフラインでも使えるようになった

 ルート設定を終えてスタートすると、住宅街から幹線道路に出るまで家形図を含んだ詳細マップで誘導。交差点拡大図は表示しないものの、オートズームが作動するので交差点の様子はよくわかります。

 ただ、複雑な交差点では、ランドマークが表示される交差点拡大図があったほうが安心度は高いでしょう。

60系プリウスのインフォテイメントシステム上でルート探索。条件別に最大3ルート案内するのはiPhone単独での場合と同じだ
60系プリウスのインフォテイメントシステム上でルート探索。条件別に最大3ルート案内するのはiPhone単独での場合と同じだ

 幹線道路に出てからは、すぐに次の曲がる交差点名と距離を案内します。地図はタテ表示オンリーですが、全体に見やすく表現されていて、3D表示での建物の形状も規模感がわかって状況把握もしやすく感じました。

 案内ルート上には信号や交通状況を含めてあり、一番上には分岐する交差点までの距離や方角をカウントダウンしながら表示するので、分岐のタイミングはつかみやすいです。特に、分岐する交差点の前に別交差点がある場合は「この交差点を通過して次の・・」というふうに案内するので、これは勘違いを防ぐのにも役立ちますね。

 一時停止の場所では音声と共に地図上にその標識を表示して知らせていました。これはうっかりミスをなくすのに役立ちます。

 また、このルートはあらかじめ登録しておいた別のiPhoneに展開することができる仕様になっていて、これを使えば指定した場所での待ち合わせにも役立ちそうです。

 iOS17で見逃せないのは、一定エリアの地図データをダウンロードして、オフラインでも使えるようになったことです。これを使えば圏外になりそうな場所を走る時、あらかじめダウンロードしておくことで対処できます。

 これはGoogleマップではすでに対応していた機能ですが、ようやくAppleマップでも実現しました。県境や山間を走行することが想定される時に準備しておくといいでしょう。

 ただ、カーナビとして使うことを前提とした時、不満な点がいくつか散見されました。

 たとえば、車線ガイドは初めてのエリアでスムーズな運転をするのに欠かせない機能ですが、これが都心ではほぼ網羅しているのに郊外では複数車線でも案内しないことが多いのです。右折専用レーンがあっても案内しないこともあり、これはきちんとサポートして欲しいと思いました。

 また、交差点名の読み上げは基本的に行わないのも残念です。前述したように、読み上げたのは分岐してから新たな道路に入った時のみ、分岐点までの距離と進行方向を含めて案内していただけでした。交差点名との連携ができるなら、分岐するタイミングでも交差点名の読み上げは行って欲しいものです。

 また、ルートを間違えて元の道へ復帰する場合も、ひたすらUターンで対応させようとするのも感心しません。とくにカーブで見通しが悪い交差点でもこの案内を表示するなど、これは現場を把握しない機械的な案内に思えてしまいます。

 カーナビとして安全な誘導を前提とするなら、基本的にこのような誘導を避けるべきではないでしょうか。

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