『千と千尋の神隠し』を思わせる世界観!? 湯治に訪れたい! 群馬県 四万温泉に現存する日本最古の木造湯宿「積善館」とは
●300年続く積善館の歴史とは!?
群馬県の北西、新潟県の県境に近く、四方を千メートルを超える山々に囲まれ「四万温泉」は存在しています。
そこには「積善館」という現存する日本最古の木造湯宿があるのですが、映画『千と千尋の神隠し』の舞台になったのではないかという噂があります。では積善館とはどのような施設なのでしょうか。
積善館は湯治棟の「本館」と旅館棟である「山荘」「佳松亭」の3つの棟が山の斜面に沿い、トンネルや階段で繋がっている旅館です。
始まりは元禄4年(1691年)で、本館を建設。元禄7年(1694年)に湯治に来る方々に向けた旅篭として開業しました。2階建ての伝統的な湯治宿としての当時の面影は、本館玄関のどっしりとした太い梁や柱に今でも残っています。
その後、明治30年頃の1894年から1897年に書院風の座敷を持つ3階が増築されました。
そして積善館を代表する「元禄の湯」は昭和5年(1930年)に作られました。1階の湯場は鉄筋コンクリート作りの大正ロマネスク建築洋式で、その上に木造の2階建ての客室をのせる形式を採用しています。
また、国の登録有形文化財に指定されている山荘は、1936年に本館の奥の傾斜に当時の建築の粋を集めて建てられました。
さらに、重要⽂化財に指定されている「向新」は同年の1936年に山荘の残材で作られたとされています。復元図面によれば、当初は19室、共同炊事所、教養便所からなっていました。
現在は向新の一部を「薬膳茶屋」として営業しています。
最後に建築されたのは佳松亭で、山荘のさらに奥、老松や竹林に囲まれた絶景の地に、風情のある、純和風の佳松亭が1986年に作られました。
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