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アメリカが最も輸出した車はアメ車じゃなかった! BMWの一大産地になった北米で生産される車種とは

アメリカから輸出されるクルマの20%弱がBMWだった

 2021年、アメリカで生産された540億ドル相当の自動車が海外に向けて輸出された。そのうち101億ドルの輸出量で、ダントツナンバー1だったのはアメ車ではなく、なんとBMWだった、というから面白い。

 しかも8年連続で、この記録を樹立している。

こちらはBMW「X5」。ガソリン仕様やディーゼル仕様に加えPHEVを用意、ハイパフォーマンスモデルのMモデルもラインナップされている(C)BMW AG
こちらはBMW「X5」。ガソリン仕様やディーゼル仕様に加えPHEVを用意、ハイパフォーマンスモデルのMモデルもラインナップされている(C)BMW AG

●クルマも“地産地消”が理想だ

 自動車に限らず、メーカーが理想とするのは“地産地消”である。もっとも成功している地産地消は、飲料メーカーのコカ・コーラ社だといわれている。世界各地にボトリング工場を構え、重要な原料だけは本社が厳重にコントロールしている。

 自動車だって地産地消できれば輸送費の削減が図れるだけでなく、貿易摩擦の緩和、地元住民を雇用することで“政治的”恩恵も少なからず享受できよう。ただ、自動車生産工場を建設するということは莫大な投資を要し、長期的に消費されることが見通せないとなかなか一歩を踏み出すことは難しい。

 BMWでは1992年に、アメリカ・サウスカロライナ州スパータンバーグに工場を建設し、1994年から稼働させている。アメリカはBMWにとって最大の市場であるため、工場を建設するのは理に適っていたのだ。生産が始まった1994年以降、「3シリーズ」や「Z3」、「Z4」などが生産されている。

 現在、スパータンバーグ工場は1万1000人を雇用し「X3」、「X4」、「X5」、「X6」、「X7」を生産する。そして、昨年末に発表されたM社が手掛けるハイパフォーマンスSUV「XM」の生産も間も始まるとか……。なお、これらSUVはアメリカだけで生産されているわけではなく、タイやマレーシア、インド、ロシアなどでも生産(提携先工場含む)されており、いわば地産地消を実践しているカタチになっている。

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