匠たちのクラフトマンシップが生み出すおもてなしの心
虫の鳴き声に秋の訪れを感じるようになった8月のとある休日、ベントレーのラグジュアリーSUV「ベンテイガ」で旅に出かけました。
目的地は、石川県の山代温泉にある名旅館「べにや無何有」。宿名にある“無何有”とは、中国古代の思想家である荘子が好んだ言葉であり、何もなく無為であり、からっぽであるからこその豊かさ、という意味が込められています。
今回、ともに旅をしてくれたのは、小原流「いけばな」五世家元である小原宏貴さん。日本の伝統文化である「いけばな」と、イギリス伝統の高級車ブランドに通じる魅力を解き明かしてもらいたいと考えたからです。
「ベントレーの各モデルは、クルマといっても工業製品化されすぎておらず、人が心地いいと感じるアナログな部分をあえて残している印象です。単なる高級車の域を超えたベントレーならではの高級車づくりの作法が隅々まで行き届いている感じですね」(小原さん)
今回、旅のお供にチョイスしたベンテイガは、上級グレードの「アズール」。美しい仕上げのウッドパネルや刺しゅうなど、厳選した素材を職人が腕によりをかけて仕上げた、正統なイギリス車ならではの上質なインテリアが特徴です。
「ルックスはイギリス車特有の重厚感を漂わせ、どっしりと構えた姿勢で存在感がありますね。
ドアを開けて室内に入ると、ディテールにまでこだわったインテリアに圧倒されました。一般的に、最近はデジタル化によってタッチパネル式スイッチを採用するモデルが多いなか、このベンテイガは金属などでできた物理スイッチを多くの操作部に配しています。
シートなどに施されたステッチ類も、匠(たくみ)たちが手縫いで仕上げた跡が見えます。効率や生産性といったものを重視して機械で縫われたステッチは、直線的で味気ないものですが、ベンテイガのステッチは手仕事の巧みさが息づいていて温かみを感じました」(小原さん)
途中、サービスエリアでドライバーを交代。ベンテイガのリアシートに座っていた小原さんが今度はステアリングを握ります。小原さんは普段から仕事での移動や休日のドライブにスポーツカーを愛用していることもあって、ベンテイガをスムーズに走らせていきます。
「4リッターV8ツインターボエンジンの加速は力強い上にとてもなめらかですし、ブレーキを踏んでも不快なノイズなど生じることなく、自然に減速してくれます。都会的で洗練されたラグジュアリーカーとは、まさにこういったクルマを指すのでしょうね」(小原さん)
しばらく高速クルージングを楽しんでいた小原さんですが、ベンテイガのキャビンの仕立てが前後で異なっていることに気づいたようです。
「前後シートの形状が異なるのはもちろんですが、クッションの硬さなどもそれぞれつくり分けられているんですね。フロントシートはドライビングを楽しめる空間となっている一方、リアシートはゆったりとくつろぎながら移動できる空間に仕立てられています。
さらに、ウッドパネルや金属パーツの表面など、細かい部分の仕上げまで徹底してつくり込まれていますね。匠たちのクラフトマンシップがおもてなしの心につながっているように思います。
こうしたベントレーのこだわりやフィロソフィー、精神性みたいなものが、乗る人に対して豊かさや幸せを提供する原動力になっているのではないでしょうか」(小原さん)
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