「ロレックスマラソン」終了も近い!? ロレックスが「認定中古ビジネス」を開始したワケ
●日本で取り扱われる可能性は? ロレックスブームに一石を投じる認定中古ビジネスの期待感
ロレックスもこの状況を放置してきたわけではない。2019年11月から、一部の製品の購入時にはパスポートなど身分証明書の提示を求め、同一モデルは5年間、他の人気モデルについても1年間、同一人物が購入できる本数を1本に制限した。
加えて、保証書発行を依頼する書類に店頭で個人情報を記入させるなどの転売防止対策に乗り出している。それでも過熱は止まらない。
今回の認定中古プログラムの導入・開始は、こうした異常な状況を根本的に改善するためと考えられる。
中古ロレックス市場に「本家本元」として加わることで、中古時計市場でのロレックスの品質と価格を長期的に適正化、安定化させ、ロレックスという「ブランドの価値」を守り、高めることを意図しているはずだ。
現行の新品ロレックスを販売している正規品販売店にとっても、本社の2年間の国際保証付きの認定中古ロレックス「CPOロレックス」の取り扱いは大きなビジネスチャンスだ。「売りたくても在庫がなく、売れる商品がない」という問題の解決策のひとつになる。

このCPOロレックスの販売を行えるのは、現在新品を販売している正規販売代理店だけ。ただ、日本での開始にはひとつ大きな障害がある。それは日本の正規販売店がこれまで新品の販売しかしておらず、中古品を取り扱うノウハウを持っていないことだ。
ヨーロッパの老舗時計店では、正規の新品を定価で販売するビジネスに加えて、中古時計をオーナーから買い取り、自社でメンテナンスして販売するビジネスも並行で行うビジネススタイルが一般的。

実は日本でも、昔の時計店はこうしたビジネススタイル、つまり新品も中古も両方販売していた。だが1980年代にこの新品&中古を並行させて扱うビジネスを展開する時計店はほぼなくなった。この中古品を取り扱う体制を新たに整える必要がある。
ただ、ロレックスがわざわざ日本語でプレスリリースを発表したことを考えると、いつになるかわからないが、日本市場でもこのCPOロレックスの展開が始まることは間違いないだろう。そしてこのCPOロレックスの価格は中古市場の値付けのひとつの基準になり、長期的にはロレックスの中古品の価値は今よりも安定し適正化されると思われる。
とはいえ、このプログラムでロレックスはすべてのロレックスの中古品の価格に影響力を持つわけではない。あくまでごく一部、それも現行品に近いモデルだけだ。バリエーションも多彩でコレクターの趣味の対象になっているアンティークロレックスは、専門の中古時計業者のみなさんの手で、これまで通り中古市場で流通することになる。
いま、もしあなたが現行品のロレックスを購入したいと思っているのに購入できないという状態なら、ごく近い将来始まるであろう、この認定中古ロレックスの購入も今後、視野に入れてみてはどうだろう。精度や品質については新品と同じレベルが保証されるので、安心感は絶大だ。
なお、筆者はネットを中心に流布されている「ロレックス神話」を否定するつもりはない。この神話と相場は長い時間をかけて形成されたものだし、信じる、信じないは個人の自由だ。それに、時計に限らず中古品の価値と価格は常に変動するあいまいなものだし、そこにビジネスチャンスがあることも確か。
ただどんなものでも中古品に手を出すなら、その価値は自分自身で責任を持って判断しなければならない。しかし今の“ロレックスブーム”の参加者には、この常識を知らない人がいるようだ。この記事を読んで、もしあなたがこれから“ロレックスブーム”に参加されるなら、そのことを肝に銘じておいてほしい。
さて、日本での正規販売代理店における認定中古ロレックス(CPOロレックス)の販売開始はいつになるのか? 現時点では残念ながら不明だ。
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