若手社員は上司に何を望む? 今どきの“イケてる上司、理想の上司像”をリサーチ! ポイントは「話を聞けるかどうか」
●新入社員の理想の上司は「丁寧に指導する人」
一般社団法人日本能率協会が今年4月に実施した2023年度「新入社員意識調査」によれば、仕事をしていくうえで不安に感じることの第1位は「上司や同僚など職場の人とうまくやっていけるか」。
2位は「仕事に対する現在の自分の能力やスキル」、3位は「仕事での失敗やミス」という結果でした。
昔から仕事に対して不安を抱く新入社員が多いことに変わりはありませんが、今の新入社員は、人間関係にも不安を抱いている人が多いことがわかります。
今年から社会人になる人は、緊急事態宣言が発令された2020年4月から3年間ほど、オンライン中心の学生生活を過ごしてきた世代です。これから仕事をするにあたって、どのような感覚を持っているのでしょうか。
同調査で、理想的だと思う上司・先輩について尋ねたところ、第1位は「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」で 79.0%でした。さらに、「言動が一致している上司・先輩」が53.2%、「部下の意見や要望を傾聴する上司・先輩」が47.3%と続きます。
反対に最低だったのは、「仕事を任せて見守る上司・先輩」の16.9%、「リスクを恐れずチャレンジする上司・先輩」19.1%でした。
こうしてみると、上司に対しては、相手の考え方に耳を傾けて一人ひとりに丁寧に指導してくれることを期待する一方、情熱にかられて仕事に取り組むようなリーダーシップ像は持っていないようです。
現在の若手社員が上司に求める要素について、一般社団法人日本能率協会の担当者は次のように話します。
「次の観点が、特に若手社員から上司や先輩へ向けられる期待であると考えております。『相談しやすい、話しやすい雰囲気づくりやコミュニケーション』『話をちゃんと聴いてくれる』『間違ったところはしっかりと指摘してくれる』『責任ばかり追及するのではなく、フォローしてくれる』『レッテル(出身、学歴、家庭環境など)を貼って見ることがなく、多様性を受け入れてくれる』
平たく言えば、年次や年齢で『若者だから』と区別するのではなく、ひとりの人間としての距離感で接してもらうことを望んでいると推察しています」
丁寧な指導、意見、傾聴する、といったワードが含まれる選択肢が支持されていることからも、個人や個性を大切にし、お互いが対等につながる世界観が見えてくるようです。
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