眼下に広がる“日本アルプスの紅葉”を満喫!新潟発の新たな航空会社「トキエア」って何? 機内で味わった“感動フライト”とは
◆最後は岐阜~名古屋市内上空を間近に見ながら空中散歩
そして、御嶽山を右手に見えるあたりで機体は徐々に高度を下げ始め、シートベルトサインが点灯。着陸準備に入りました。

このあたりから風景が見えなくなるかと思いきや、今度は岐阜県多治見市内にあるトヨタやサプライヤー系のテストコースを発見。さらに高度を下げていって名古屋市内に入るとバンテリンドーム・ナゴヤ(旧ナゴヤドーム)や名古屋城の天守閣、さらには名古屋駅前の高層ビル街も目に入ってきました。
今回、トキエアに乗る目的は、日本のエアラインには乗っておきたいという軽い気持ちからでした。切符も約1か月前に購入した割引切符「トキトク」で7340円。
この金額でこれだけ楽しめるフライトは本当に久しぶり。FDA(フジドリームエアライン)も、パイロットが周囲の山々を案内してくれますが、ここまで細かく案内してくれることはありません。
そして、14時26分、中部国際空港に着陸。搭乗ゲートにはトキエアの専用バスで向かい、1時間20分のフライトは終了しました。
◆トキエアは座席指定と受託手荷物も20kgまで無料の「ハイブリッド航空」
最後にトキエアについてご紹介しておきたいと思います。
トキエアの最大の特徴は、FSC(フルサービスキャリア)やLCC(ローコストキャリア)でもない、「ハイブリッド航空」を目指していることにあります。これは運賃をLCC並みにしながらも座席間隔を狭くしないなど、サービスの充実を図っていくことで顧客獲得を狙う新たなビジネスモデルです。
具体的には、LCCでは徴収される座席指定料は無料で、預ける荷物も20kgまで無料、さらに支払手数料もありません。
LCCのように運賃が極端に安くはありませんが、3日前まで割引料金で買えるのはメリットだと思います。
使用機材はフランスとイタリアの航空機メーカーATRが開発したターボプロップ型のプロペラ機で、開業当初の1号機(JA01QQ)と2号機(JA02QQ)は「ATR72-600(72人乗り)」としました。LCCがジェット機を選んでいる中で、トキエアがATR機を選んだ最大の理由は、佐渡空港への対応があります。
佐渡空港にはかつて新潟を結ぶ定期便が就航していましたが、手軽な料金で乗れる佐渡汽船のジェットフォイルに押され、2014年から無期限運休となっていました。しかし、路線復活の声は根強く、そこにトキエアがこのATR機での就航を表明したのです。

◆狙いのひとつは、首都圏や関西圏と世界遺産の佐渡を航空路線で結ぶこと
背景には佐渡金山の世界遺産登録がありました。すでに2024年7月27日に世界遺産登録が決定していますが、トキエアはこれが観光客の呼び水となると想定し、これに合わせた就航を目指したというわけです。
ただ、佐渡空港の滑走路は長さが890mしかなく、ATR72-600では定員を乗せて離発着はできません。そこで、トキエアでは佐渡空港のような短い滑走路でも離着陸できる「ATR42-600S」の導入を目指しましたが、開発の遅れから早くても25年度中の導入になる見込みとなりました。
そこで、まずは標準型の「ATR42-600」が3号機(JA03QQ)を導入して需要に対応しようとなったのです。その理由はこの機材なら定員を22名まで減らせば800mでの離着陸が可能で、さらに滑走路を含む着陸帯を活用すれば1010mまで延長でき、定員を減らすことなく離着陸が可能になるからです。
この実現には障害物となる空港周辺の立木や建物の除去が条件ですが、すでに佐渡空港ではその準備に取りかかっており、空港ターミナルの改修もこの夏までにほぼ完了。これが実現することでトキエアとしては、佐渡から新潟だけでなく、首都圏(成田空港が有力)や関西などへの直接乗り入れも実現したい考えです。
これまで首都圏では大半がジェット機によるフライトとなっており、プロペラ機は馴染みが薄かったと思います。しかし、今回のフライトを通して、プロペラ機ならではの地上を間近に観ながらのフライトは、ジェット機によるフライトとはひと味違う体験となったことは確かです。トキエアが首都圏や関西に就航することで、どんな新しい風景を見せてくれるか、今から楽しみになりました。
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