VAGUE(ヴァーグ)

長崎・波佐見で出合う新しい食文化体験! 築100年以上の歴史を持つ古民家ビュッフェで味わう至福の食とは

時代を越えて愛される、素朴で新しい空間が誕生

 宮崎県を拠点とする航空会社「ソラシドエア」の羽田から長崎へ向かう空路が、2025年8月で就航20周年を迎えました。「御堂舎(みどうや)」を知ったのは、その就航20周年を記念して行われた懇親会でのことです。

 2024年の晩秋、長崎県波佐見町に登場した御堂舎は、波佐見焼窯元「高山」創業者の旧宅をリノベーションしており、100年以上の歴史を刻んだ邸宅が現代的なアレンジでよみがえった古民家レストランです。

 運営をするのは波佐見町で1946年に創業、陶磁器の総合商社である西海陶器です。同社が展開するブランドの「HASAMI PORCELAIN」を米・アップル社が気に入り、同社から依頼を受けたマグカップも製造するなど、波佐見焼を代表する企業です。

 車を止めると、目の前には重厚な日本建築のお屋敷が飛び込んできます。

波佐見焼の歴史と職人の思いが詰まった空間。日本瓦の屋根とシックな外壁のコントラストが印象的な建物は、かつての窯のレンガなどを再利用しており、過去と現在が美しく調和している
波佐見焼の歴史と職人の思いが詰まった空間。日本瓦の屋根とシックな外壁のコントラストが印象的な建物は、かつての窯のレンガなどを再利用しており、過去と現在が美しく調和している

 日本瓦の屋根とシックに塗り直された外壁のコントラストが印象的です。背景に立つ赤れんがの煙突も、この土地の産業遺産として風景に溶け込んでおり、波佐見の陶磁器文化を象徴するランドマークとして親しまれているのがわかります。

 建物の裏には体験工房があり、足元には当時の窯で使われていたれんがが敷き詰められています。長年にわたり窯を支えてきたれんがの再利用は、過去と現在をつなぐ新鮮な演出です。

 エントランスに入ると、100年以上この建物を支えてきた太く丈夫な梁(はり)に目を奪われます。明るめの木材と落ち着いた色調でまとめられた空間は、歴史ある建物でありながら、ガラス面を多用した設計によりとても開放的です。

 室内の薪(まき)ストーブはぬくもりを感じさせ、使用されている建材の多くは、かつて陶磁器製造で使われていた道具類を再利用したものといいます。随所に産地ならではのこだわりがちりばめられ、まさに至福の時間が流れます。

地元食材が奏でる美味の協奏曲

 お目当ての90分制ビュッフェは、すべて厨房(ちゅうぼう)で一から作られた料理で構成されています。料理長の橋口聖氏が掲げる「私たちが心からおいしいと信じる食事のみを提供する」という哲学が、一皿一皿に込められています。

 橋口氏が最も自信を持って推薦するのは、長崎近海で漁獲されたタイの煮付け。その他にも鶏料理、アジフライ、長崎和牛のすしとカレー、刺し身、サラダ、煮物、デザート、梅ビネガードリンクなど、多彩なメニューが並びます。

 また、旧高山工場内で使用していたトンネル窯の歴史ある耐火れんがを使用したオリジナルのピザ窯で一つひとつ焼き上げたピザもあります。

旧高山工場の歴史あるピザ窯で焼かれたピザや、長崎和牛を使ったすしとカレーなど、魅力的な料理が並ぶビュッフェ。季節ごとに旬の食材を取り入れた、料理長のこだわりを五感で楽しめる
旧高山工場の歴史あるピザ窯で焼かれたピザや、長崎和牛を使ったすしとカレーなど、魅力的な料理が並ぶビュッフェ。季節ごとに旬の食材を取り入れた、料理長のこだわりを五感で楽しめる

 色鮮やかでおいしそうな料理の数々に、どれから手をつけるか迷うほどです。季節によって食材が変わるため、何度訪れても新しい味覚に出合えるのは、行く価値があるポイントと言えるでしょう。

 ビュッフェ台の下には、さまざまな波佐見焼の食器が置かれ、自分好みの器を選べるのも魅力の一つです。波佐見焼は軽量で耐久性に優れ、重ねて収納できる機能性から、若い世代にも人気だそうです。食事の盛り付けを通して、自然と陶磁器の魅力に触れられるのも粋な体験です。

 橋口氏は「食器は食事体験の一部として自然に存在するべきだ」という考えを持ち、来店者が器の良さを自然と感じ取れる環境づくりを心がけていると話します。

若い力が支える、新しい波佐見の魅力

 20代から30代を中心としたスタッフチームが運営を担う御堂舎は、開業から7カ月間、悪天候のわずか2日間を除いて連日満席という驚異的な人気店となっています。

「優秀なメンバーに恵まれ、結束力と継続への意志、そして開業時期の選択が成功要因」と橋口氏は話します。家族連れでも気軽に利用できるよう、メニュー構成や価格設定も配慮しており、ホスピタリティーあふれるおもてなしを受けられます。

「御堂舎」料理長の橋口聖氏
「御堂舎」料理長の橋口聖氏

 ビュッフェの価格は大人2600円、子ども1500円という良心的な設定で、ランチ営業のみ(11:30〜15:00、日曜休業)。長崎自動車道の嬉野インターチェンジから車で10分ほどと、アクセスも良好です。

 御堂舎では宿泊施設の開設も計画中とのことで、波佐見焼を中心とした新たな魅力発信スポットとして注目が高まりそうです。

 また、西海陶器では御堂舎のほか、波佐見町内でベトナム料理のフォー専門店「COYANE(コヤネ)」も運営しているとのことで、再訪時の楽しみが増えました。

 長崎への旅の道中、ふと立ち寄った波佐見町。陶磁器の産地として名高いこの静かな町で、思いがけない発見がありました。羽田から続く空の道が20年の時を経て、こんなにも魅力的な場所へとつながっていたことに、深い感慨を覚えます。

●施設概要
「御堂舎」
・住所:長崎県波佐見町小樽郷757 MIDOUエリア内
・アクセス:(車)西九州自動車道・波佐見有田ICから車で10分/長崎自動車道・嬉野ICから車で10分
・営業時間:11:30-15:00(最終入店 14:00)
・定休日:日曜
料金:大人2600円/子ども1500円
電話:0956-37-6699(予約・問い合わせは電話もしくは来店のみ受付)

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