「謎多きデイトナ」は3150万円! 本物ポール・ニューマンが別格ロレックスである理由とは
伝説のヴィンテージ・ロレックス、「デイトナ・ポール・ニューマン」
VAGUE読者にとっては周知の事実だと思われるが、「デイトナ・ポール・ニューマン」についての基本情報を少しだけ解説しておこう。
「デイトナ」は、1963年以降のロレックス製クロノグラフに付けられた名称である。同社は1955年からクロノグラフを発売しているが、1962年にアメリカのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイのタイムキーパーになった際に、クロノグラフにデイトナの名を冠している。

著名なサーキットの名を持つ「ロレックス・デイトナ」は、スピードに情熱を捧げるレーサーのために開発された究極の実用時計である。外観上の特徴であるタキメーターベゼルは、経過時間から平均速度を読み取るための質実剛健なツールであり、オイスターケースの高い耐久性は、レーサーたちを驚かせたという。
俳優としてだけでなく、カーレーサーとしても活躍していたポール・ニューマンもまた、デイトナを愛用したひとりだった。そして、彼が腕に巻いたデイトナ(ホワイトの文字盤にブラックのカウンター、文字盤外周のスケールが色分けされたモデル)を、コレクターがポール・ニューマンと呼んだ……というのが、「デイトナ・ポール・ニューマン」の誕生だといわれている(諸説あり)。
●数々のバリエーションが存在する「デイトナ・ポール・ニューマン」
「デイトナ・ポール・ニューマン」には、ケースや文字盤のカラー、そしてリファレンスの異なるバリエーションが存在している。ポール・ニューマンが愛用したRef.6239にも白と黒のダイヤルが存在するし、より希少性の高いRef.6241にはブラックのアクリルベゼルが追加されている。
他にも、Ref.6262やRef.6264をはじめとするリファレンスがあるが、今回サザビーズに出展された「Ref.6240」は、とびっきりのレアモデルだ。
Ref.6240は、1965−1969年に実験的に製造されたモデルで、ねじ込み式プッシュボタンを採用した点がRef.6239やRef.6241との大きな違いとされている。この改良によって、ストップウォッチ機能を持たないオイスターモデル並みの密閉性を持たせる事に成功。弱点とされていた防水性能の強化を目指したRef.6240は、耐水性を備えた最初のデイトナといえる。
今回サザビーズに出品された個体は、その希少性の高さから「謎多きデイトナ」とも呼ばれるRef.6240にポール・ニューマン・ダイヤルを装備したモデル。クロノグラフスケールに描かれる正方形のマーカーや、外周の赤いスケールなど、エキゾチックな文字盤を持つレアモデルだ。
ミレリープッシャーと呼ばれるねじ込み式プッシュボタンが保持されている点も注目に値する。ミレリープッシャーは、操作がしやすいように深い溝が彫られたボタンに交換されていることが多く、オリジナルコンディションがキープされているモデルは珍しいのだ。
デイトナ・ポール・ニューマンの真偽を確かめるのは至難の技とされている。たとえば同じスペックを持つデイトナでも、「通常の文字盤を持つデイトナ」と、「ポール・ニューマンの文字盤を持つデイトナ」では、オークションでの市場価値に大きな違いがあるため、意図的なモディファイによってポール・ニューマンに仕立て上げられたデイトナが少なくないからだ。その点、保証書に記されたシリアルナンバーと、ケースに刻まれたナンバーがマッチしているこの個体は、安心できるモデルだといえるだろう。
ヴィンテージ・ロレックスを代表する人気モデル、「デイトナ・ポール・ニューマン」の中でも、さらにレアな「Ref.6240」の予想落札価格は20万−30万ドル(邦貨換算約2270万−約3400万円)。そして注目の落札価格は27万7200ドル(邦貨換算約3150万円)だった。そのエキゾチック・ダイヤルとストーリーに惹きつけられている人々にとっては、あながち高価とはいえないハンマープライスであった。
●製品仕様
リファレンス:6240“ポール・ニューマン”デイトナ
年式:1967年頃
ケース径:37.5mm
ケース:ステンレススチール/ねじ込み式バック
ストラップ:ステンレススチール/オイスターブレスレット
文字盤:ブラック
ムーブメント:バルジュー722メカニカル/17石
付属品:ロレックスの箱/保証書(日付無し)
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