「世界初!!」カーボンファイバーのバッグやスーツケースを生み出したテクノモンスターとは【ブランドの旅】
ランボルギーニと同じく自社ファクトリーでカーボンを成型
前述のとおり、カーボンファイバーはその加工に特殊な設備と高い技術を要します。彼は飛行機やヘリコプターなどを作る技術を持つ工場が集まる町にテクノモンスターの工場を構え、職人たちの意見と知恵を集めながら挑戦を始めました。
「初めからうまくいくという事は一切なく、失敗作の山が積みあがった」
ジャコモ氏の案内で工場を見学に行った時に、彼は天を仰ぐようなジェスチャーを交えつつ語ってくれました。

モルド(型)にはめ込んだプリプレグを真空にし、高温高圧のオートクレーブで焼き上げたドライカーボンは頑強で、切断したり穴を開けたりするのも容易ではありません。さらにそれをレザーと一緒に縫うという工程もあり、「ミシンの針が何度も折れた。最終的には日本の町工場で作られたチタン製の針を取り寄せ、ようやく作業がスムーズに進むようになった」と、思わぬ「日本の匠の技」の逸話も飛び出しました。
決して安価ではないカーボンファイバーを使いながらのトライ&エラー。その姿を「クレイジーだ」と笑う人もいたのだとか。
しかし「ストレスや不安、無駄なコストから解放された自由で快適な旅」という明確なヴィジョンを頭の中に常に描き、「その唯一無二の価値は絶対に世界から必要とされる」という信念を持って「世界初のスーツケース作り」に取り組んでいきました。

●タフであればそれで良いのか?
スーツケースを使う上で重要なのは、軽さや耐久性。ですが、それだけでは不十分だとジャコモ氏は考えました。
「車輪の動き。これが良いか悪いかで、体で感じる重さが劇的に変わる」
そう話しながら彼が見せてくれたのは車輪のパーツの見本。弾性のあるエラストメリックポリウレタンのタイヤにセラミックのボールベアリングを備えた車輪は、まるで氷の上を滑るかのように気持ちよく動きます。
試しにスピンさせてみると、フィギュアスケートの名選手の如く高速で回転しました。「車輪が折れた」というトラブルはスーツケースの故障でよくあることですが、それを防ぐために土台のパーツはアルミブロック削り出しを使うという贅沢さ。
「クルマを作る気持ちでスーツケースを作っているんだよ」とジャコモ氏は笑います。
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