「コロナはにくんでも、豚まんはにくまん」ミシュランシェフも通う福島県いわきの町中華! 華正樓の「スタミナ」の味【遠くても行きたい町中華#04】
●キャベツってこんなに美味かった?
東京から常磐自動車道で約2時間。赤井岳を望む、東北らしい穏やかな風景が広がる夏井川のほとりにある「華正樓」は、創業者の吉野和久さんと、息子で料理長の康平さんら家族で営む中華料理店です。

旬の地元産食材を使った本物の味を手ごろな価格で楽しめる庶民的なお店ですが、都内のミシュラン星つきシェフも「福島産食材で美味いものを作る特別な店」として通うなど、県外にもファンが多いお店。
都内の名店で修行した吉野さん親子のレパートリーは豊富で、エビチリをはじめ、ラーメンなどが人気メニューですが、とくに多くのリピーターを惹きつけているのが、「スタミナ」(1050円、消費税込)と名づけられた定食です。
「“スタミナって何?”ってよく聞かれるんですが、回鍋肉(ホイコーロー)定食のことなんです」と話すのは、創業者の和久さん。
華正樓が開業した1983年ごろ、昼食に通ってくれる工事関係者に精をつけてもらおうと、ニンニクを効かせたしっかり味の回鍋肉定食を作り始めたところ名物に。
ですが、メニュー帳に記載した“回鍋肉”という名前は、当時はまだ一般的ではなかったため、「スタミナちょうだい!」という常連客のコールが、いつしかオフィシャルとして定着したのだとか。
大きな中華鍋に張ったたっぷりの油で材料に手早く火を入れ、サッと油を切ったのち自家製甜麺醤を絡めて仕上げていきます。油で薄くコーティングされたツヤツヤの豚バラやキャベツは本当に美味しそう!
昼時に厨房を見学させてもらったところ、常に2〜3人前を作り続けるほど人気のスタミナ定食ですが、2019年秋に上陸した台風19号の被害により、二度と食べられなくなるほどの窮地に陥ったこともあります。
記録的な豪雨で近くにある夏井川の堤防が決壊し、店舗の二階まで水に浸かるほどの被害を受けてしまったのです。
「東日本大震災を乗り越え軌道に乗った矢先でしたが、客席や調理器具をはじめ、大切にしてきたラーメンやスタミナ用の自家製甜麺醤も流れてしまったので、廃業も考えました」(康平さん)
一時休業をやむなくされた華正樓ですが、同じく被災者でもある常連客たちから「はやく華正樓のスタミナを食べて元気を出したいよ」と声をかけられ、再出発することに決めたのだと言います。

スタミナ定食の主役は、シャッキリとした歯ごたえのキャベツと、ふっくら炊き上げた白米。野菜やお米などの食材は、信頼できる地元いわきの生産者から直接届けられる新鮮なものばかり。
まったり濃厚な甜麺醤のタレにからんだ豚バラ肉と、食べ終わるまでシャキシャキ感が楽しめるキャベツのたまらない食感で、白米が猛スピードで減っていきます。
●「豚まんはにくまん」なんです
ちなみに康平さんは3年前、これまた名物の豚まんに添えた「コロナはにくんでも、豚まんはにくまん。」というダジャレで、期せずしてネットをバズらせた張本人。

「テイクアウトで販売していた豚まんに添えるリーフレットの裏に、ついダジャレを書いちゃったんです。“コロナ禍なのに不謹慎だ”って怒られるかも……と、かなり悩みましたが、食べるときにくすりと笑ってもらいたくて」と康平さん。
修行時代に身に着けた点心の技術で生み出した豚まんは、台風19号で被災した際、「温かく腹持ちがいいので非常食にちょうどいい」というアイデアが元となって生まれたもの。華正樓を訪れたらぜひ味わってもらいたい逸品です。
メディアで取り上げられることも増えた華正樓。TV撮影で訪れた芸能人が惚れ込み、プライベートで再び訪れた様子をSNSに投稿するなど、知る人ぞ知る名店です。
スパリゾートハワイアンズや、東北最大級の体験型水族館の「アクマリンふくしま」など観光名所も多数あるので、ドライブがてら訪れてはいかがでしょうか。
●華正樓(かせいろう)
住所:福島県いわき市平下平窪四左エ門内152-6
電話:0246-23-9548
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~20:00(L.O.19:30)
定休日:火曜日
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