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BYD日本上陸第2弾 新型コンパクトカー「ドルフィン」はなぜ“輸入車”っぽくない!? 363万円から買えるEV BYDの戦略とは

新型ドルフィンは「輸入車」なのか?

 2023年9月20日、BYDはコンパクトBEV(電気自動車)「ドルフィン」を発売しました。

BYD新型「ドルフィン」
BYD新型「ドルフィン」

 バッテリーメーカーを起源とするBYDらしく、最大航続距離はスタンダードモデルで400km、ロングレンジモデルで476kmと、クラストップレベルのパフォーマンスを誇ります。

 それでいて、363万円からという手頃な価格を実現しているうえ、日本のユーザーに合わせた専用の装備やチューニングが施されているなど、日本市場に対する本気度を感じる1台です。

 ドルフィンのハンドルを握ってみると、良くも悪くも「ふつうのクルマ」であることがわかります。

 実際、ドルフィンは母国である中国を中心に、これまで40万台を超える販売台数を記録しているベストセラーモデルのひとつであり、クルマとしてのレベルはグローバルレベルに達しています。

 ただ、ドルフィンに乗って感じるのは、「このクルマは『輸入車』であるのか」ということです。

 もちろん、ドルフィンは中国で生産されたものが日本へと渡っているため、輸入車の定義に当てはまっていることは言うまでもありません。

 一方、ドルフィンは、多くのユーザーが「輸入車」と聞いてイメージするものとはやや印象が異なります。

 一般的に、日本における「輸入車」は「高級である」「上質である」といったイメージが強く、さらに言えば「国産車とは違う」というニュアンスを含むこともあります。

 ただ、海外のクルマがすべて高級であるわけではありません。しかし、日本には経済性に優れたクルマを多く生み出す自動車メーカーが多く、輸送コストなどを考えると輸入車がその土俵で国産車と互角の勝負をすることはほぼ不可能です。

 そのため、国産車にはない付加価値を持ったクルマが多く輸入されるようになり、結果として現在の「輸入車」のイメージへとつながりました。

 このような経緯から、輸入車はあくまでも嗜好品としての性格が強く、日本の新車販売台数に占める割合は10%以下であるのが実情です。

 このことから、日本は「輸入車不毛の地」と呼ばれることもあるほどです。

Nextドルフィンはまるで「国産車のような輸入車」
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