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たった730円をプラスするだけで上質な“電車の旅”ができる!? 大阪と飛鳥・吉野を結ぶ人気の「近鉄の観光特急」の贅沢さとは

質のいいシートとクラシカルな内装だが、モーター音は大きめ

 青の交響曲は速度を上げ、吉野に向かっていきます。

 窓の外の景色は次第に住宅地から田園地帯へと変わり、遠くに大和三山が見えてくるころには、すっかり旅の雰囲気に包まれます。

近鉄特急「青の交響曲」のラウンジスペース
近鉄特急「青の交響曲」のラウンジスペース

 2号車にあるラウンジスペースに移動。まだ午前中にもかかわらず、年配のグループが早々に一杯やっています。

 ラウンジ車の壁面には吉野杉を使った装飾が施され、奈良の伝統工芸の温もりを感じさせます。まさに高級ホテルのロビーのような趣を感じます。

 隣のバーカウンターではオリジナルのケーキセットや柿スイーツなどが販売されており、コーヒーなどとともにラウンジで食することができます。また限定ラベルのクラフトビール、そして吉野の地酒飲み比べセットなどアルコール類も販売されていて、もうすっかり出来上がった年配のグループは、これを注文して盛り上がっていたのがわかります。

近鉄特急「青の交響曲」
近鉄特急「青の交響曲」

 上質な大人のための小旅行、というコンセプトの青の交響曲ですが、大阪阿部野橋駅を出発し吉野駅に到着するまでの1時間20分で、特急といいながらも尺土、高田市、橿原神宮前、飛鳥、壺阪山、吉野口、福神、下市口、大和上市、吉野神宮という駅に停まります。

 その都度、通勤列車のような加速感と大きめのモーター音が響くので、ちょっとだけプレミアム感を損ねている気がしなくもありません。優雅な時間を過ごしたい、というのに、時速90km/hを超えた速度で飛ばしていく区間もあります。それでも質のいいシートとクラシカルな内装で、ゆったりとした旅情は楽しめます。

 およそ3分の1の乗客が飛鳥駅で降り、窓の外の景色はますます山深くなっていきます。列車は吉野川に沿って南へ進み、やがて列車は終点・吉野駅に到着。ホームに降り立つと、空気がひんやりと澄んでいて、山の香りが漂ってきます。大阪からわずか1時間半ほどの距離とは思えないほど、別世界に来たような感覚です。

 近鉄・吉野駅の目の前にある千本口駅から、日本現役最古の「吉野ロープウェイ」に乗り吉野山駅に上れば、あとは世界遺産・吉野山の参道がすぐ目の前。今回はオフシーズンともいえる時季だったので観光客はそれほどでもありませんでしたが、春の桜の時季、秋の紅葉の時季は多くの観光客が訪れるといいます。

日本現役最古の「吉野ロープウェイ」
日本現役最古の「吉野ロープウェイ」

 復路も16時3分吉野駅発の青の交響曲第4便に乗車。車内照明が少し落とされ、より落ち着いた雰囲気に包まれます。外が夕闇に染まるころ、ラウンジのテーブルランプは温かく灯り、青い列車の内側にだけ柔らかな光の世界が広がります。

※ ※ ※

 特急列車といっても、青の交響曲は移動そのものを楽しむための特急で、決して速さを競う列車ではありません。大阪阿部野橋駅から吉野駅までの普通運賃1170円に加え730円をプラスするだけで、1時間20分の贅沢な時間を楽しめるのは、かなりオトク感も高く、オススメともいえます。

 ただ3両編成で乗車定員も少ないため、オンシーズンの際は早めに予約することをオススメします。近鉄ではオンラインでのチケットレス特急券発売サービスもあり、1か月前から予約が可能です。

Gallery 【画像】紅葉の時期は早めに予約! 人気の近鉄特急「青のシンフォニー」を写真で見る(34枚)

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