めちゃ不便で時代に逆行!? “タイパ重視”のいまだからこそ選びたい注目の「手巻き式時計」3選
時計のネジを巻くって時代に逆行してる!?めちゃ不便で時代に逆行!? 自動巻やクォーツにはない手巻き式だけの魅力を探る
自動巻きやクォーツと比べ、少々マニアックな印象がある手巻きタイプの腕時計。日々の取り扱いに煩わしさを感じる人もいる一方、熱心な時計愛好家の中にはあえて手巻きを積極的に選ぶ人が少なくないのも事実です。
考えてみれば「パーツが少ないため軽く堅牢」「ローターがない分ムーブメントを薄くできる」「シースルーバック越しに、精緻な歯車の動きを余すことなく眺められる」など、手巻きには自動巻やクォーツにはないメリットも多いもの。
また何より、毎日決まった時間に巻き上げる行為は、自分を整えるための贅沢な儀式。ゆったり時計に向き合うひとときを大切にしたいーーそんな人にとって、手巻きは他の方式には代えがたい魅力を持っています。
さらに、やや逆説的かもしれませんが、使いたい時に巻き上げるだけで即駆動できる点は、複数の時計を日常的に使いこなす時計愛好家にとってはうってつけの選択肢。
そこで今回は、近年発表されたモデルから3本をピックアップ。それぞれの魅力を通じて、個性あふれる手巻きの世界を紐解きます。
純白ダイアルに青針。現代的なスペックながらクラシカルなムード漂うムーンフェイズ
まず正統派の一本を手に入れたいあなたにおすすめなのが、オリエントスター「M45 F8 メカニカルムーンフェイズ」(41万8000円 消費税込)。
直径およそ40mmのダイアルを構成しているのは時分針とパワーリザーブインジケーター、それに6時位置のムーンフェイズのみ。
要素を絞り込んだシンプルなルックスですが、繊細な筆致で描かれたローマンインデックス、レイルウェイデザインの分目盛りがクラシカルな雰囲気を強調、また月齢盤に輝く月モチーフには白蝶貝をあしらうなど、洒脱な素材使いがなんとも魅力的です。
搭載するムーブメントは新開発の自社製キャリバーF8A62で、自社開発のシリコン製がんぎ車が最大70時間というロングパワーリザーブを実現、加えてJIS1種 (4800A/m以上)に準拠する耐磁性能を発揮。
手巻きならではの薄さと軽さで長時間の装着も快適、シースルーバックから覗かせるムーブメントの受け部分には青いがんぎ車を見せる切り欠けや三日月形の窓を設けるなど、視覚的な楽しさも提供します。
エレガントなスタイルに、実用性の高いスペックをきっちり備えた才色兼備な1本です。

「オリエントスター M45 F8 メカニカルムーンフェイズ ハンドワインディング」
・品番:RK-BW0001S
・価格(消費税込):41万8000円
・ケース素材:SUS316L ステンレススチール
・ケースサイズ:39.5mm径・11.9mm厚
・ストラップ:ブラック 本ワニ革
・風防:両球面サファイアクリスタル SARコーティング
・ムーブメント:手巻き式 自社製キャリバーF8A62(日差+15秒~-5秒)
・駆動時間:パワーリザーブ70時間以上
・防水性能:日常生活用防水(3気圧)
・耐磁性能:JIS1種 (4800A/m以上)
高精度と長時間駆動、快適な装着感を実現。白樺ダイアルが体現する日本の美意識
2024年のウォッチズアンドワンダーズにて来場者を驚かせたのが、グランドセイコー「エボリューション 9 コレクション」から登場した手巻き式ハイビートモデル「SLGW003」(145万2000円 同)です。
毎時36,000振動という高振動と80時間のパワーリザーブ、またデュアルインパルス脱進機やグランドセイコーフリースプラングによる優れた精度など高度なスペックを継承しつつ、巻き上げ時の心地よさを高めるべく構成する部品全体のの40%を再設計。
これによりケースの劇的な薄型化に成功、加えてケースに採用された“ブリリアントハードチタン”が、驚くほどの軽さを実現しています。
ダイアルデザインには、岩手の荘厳な自然美を型打ち模様で表現した“白樺ダイアル”を採用。手元の動きや光の差し込む角度によって表情を変える様子はえも言われぬ美しさ、技術と感性が高次元で融合した名品です。
なお本作は2025年には世界的に権威のあるデザイン賞であるレッドドット・デザイン賞のプロダクトデザイン部門にて最高賞「Best of the Best」を受賞。同年にはケースをステンレス、ストラップを牛革に置きかえたネイビーダイアルモデル「SLGW007」(134万2000円 同)も登場しています。

「グランドセイコー エボリューション9コレクション 手巻メカニカルハイビート36000 80 Hours モデル SLGW003」
・価格(消費税込):145万2000円
・ケース素材 :ブリリアントハードチタン
・ケースサイズ: 38.6mm径・9.95mm厚
・ストラップ:ブラック クロコダイルレザー
・風防:ボックス型サファイアクリスタル
・ムーブメント:手巻き式 キャリバー9SA4(平均日差+5秒〜-3秒)
・駆動時間:パワーリザーブ約80時間
・防水性能:日常生活用防水(3気圧防水)
優しいフォルムに個性が宿る。日常に寄り添い、生活を彩る軽やかな1本
音楽からインスピレーションを得たユニークなものづくりで知られるレイモンド・ウェイルの「トッカータ ヘリテージ」(27万5000円・29万7000円 同)は、手巻き時計を日常のライフスタイルの中でカジュアルに楽しみたい人におすすめの1本。
柔らかなカーブを描くオーバル型ケースは、腕元に穏やかに収まるユニセックスな佇まい。秒針を持たない2針モデルで、ケース外寸も幅33mm×縦38mm、厚さ6.95mmというスリム設計です。
またあたたかみのあるコッパーやオールドシルバー、知性を感じさせるブルーなど豊富なバリエーションで選ぶ楽しみも提供、マニアックなベクトルに陥りがちな手巻き式時計を、気負わずカジュアルに親しめます。
パワーリザーブは45時間とやや控えめですが、毎朝あるいは毎夜の巻き上げをルーティンとして楽しみたい人にはむしろちょうどいいくらいかもしれません。

「レイモンド・ウェイル トッカータ ヘリテージ」
・品番:2280-PC5-80001(コッパー)、2280-STC-64001(オールドグレー)、2280-STC-50001(ブルー)、2280-ST-50001(ブルー/ブレスレット)
・価格(消費税込):27万5000円(オールドグレー、ブルー)29万7000円(コッパー、ブルー/ブレスレット)
・ケース素材:ステンレススティール
・ケースサイズ :33mm×38mm、6.95mm厚
・風防:サファイアクリスタル
・ストラップ:クロコ型押しカーフ(「2280-ST-50001」のみステンレススティールブレスレット)
・ムーブメント:手巻き RW4100(SW210-1)
・駆動時間:パワーリザーブ約45時間
・防水性能:3気圧防水
日々愛おしみ、手をかけるほどに深まる愛着。日常に確かな充足感を
お気に入りの1本を手のひらの中に包み、その感触を確かめながらぜんまいを巻きあげる行為は、単なる動力の確保にとどまらず、時計を愛おしみ、自分と向き合うひとときを提供するもの。
正統派ムーンフェイズでクラシックなロマンを求めるもよし、ハイエンドモデルで究極の技術を味わうもよし、あるいは日常のなかで軽やかに楽しむもよし。
どのモデルを選んでも、あなたの日常に確かな充足感を与えてくれるはずです。
VAGUEからのオススメ
マセラティ、故郷モデナへ── 光と音が導く「グラントゥーリズモ」と「グランカブリオ」が告げる新しい鼓動【PR】