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カルティエの傑作もスケルトンに――世界最大の時計市で見つけた“スケルトンウォッチ”4選【W&W2026特集Vol.2】

カルティエ伝説の名作「クラッシュ」がスケルトンに!

 今年2026年のWWGで目立った新作のひとつが、文字盤や地板をくり抜くことで“機械の小宇宙”と讃えられる機械式ムーブメントのディテールがケースの表裏両方からしっかり鑑賞できるスケルトンモデル。

 かつてのスケルトンはエングレーバー(彫刻師、彫金師)が自分のセンスで地板や文字盤などを手作業で切り抜いて作るユニークピースだったが、2010年前後からは緻密にデザイン(設計)されたものになった。

 結果、今やスケルトンモデルは、時計ブランドのアーキテック(建築学的)でアーティスティックなセンスを競うジャンルになっている。

 そして今年の新作ではこのカテゴリーの新作が充実した年となった。

カルティエ プリヴェ「クラッシュ」スケルトン©Cartier ©Valentin Abad
カルティエ プリヴェ「クラッシュ」スケルトン©Cartier ©Valentin Abad

カルティエ
カルティエ プリヴェ「クラッシュ」スケルトン
Ref.CRWHCH0012
・予価1953万6000円(消費税込)
・ケースサイズ縦45.35×横25.2mm
・手巻き(Cal.1967 MC)
・Ptケース
・アリゲーターストラップ
・非防水
・世界限定150本
・9月発売予定

現代建築のようなエルメスの「スケルトン」

 そして今年、スケルトンモデルにもっとも力を入れていたのがエルメスだ。

「スリム ドゥ エルメス スケレット リュンヌ」も、一部がスケルトンの「アルソー ミニッツリピーター サマルカンド」も魅力的だが、スポーツモデルの「エルメス H8」の新作「エルメス H8 スケレット」は、現代建築からインスピレーションを受けてデザインされたという、とても現代的な感覚のスケルトンで、エルメスらしいセンスが感じられる逸品。

 今回のインタビュー取材でモントレ・エルメスCEOのローラン・ドルテ氏は「時計の空間にダイブするような感覚を楽しんでほしい」と語ってくれた。

エルメス「エルメスH08 スケレット」
エルメス「エルメスH08 スケレット」

エルメス
「エルメスH08 スケレット」
Ref.W408393WW00
・予価346万5000円(消費税込)
・ケースサイズ縦42×横39mm
・自動巻き(Cal.H1978S)
・パワーリザーブ約60時間
・Tiケース
・ラバーストラップ
・10気圧防水

ゼニスの定番「クロノマスター スポーツ」にも

 また2021年に登場して以来、ゼニスの中で圧倒的な人気の定番クロノグラフ「クロノマスター スポーツ」にも、文字盤にカラーサファイアを採用したフルスケルトンモデルが登場した。

 SSモデルはセラミックベゼルのカラーがグリーンかブラックの2タイプ、18Kローズゴールドモデルは非ジュエリー仕様とジュエリー仕様の2つのタイプが用意される。

 ゼニス自慢の10振動の自動巻き機械式クロノグラフムーブメント「エル・プリメロ 3600 SK」の姿を文字盤側、ケースバック側の両方から眺めることができる。

 機械式クロノグラフのファンにとってはうれしい1本だ。

ゼニス 「クロノマスター スポーツ スケルトン」
ゼニス 「クロノマスター スポーツ スケルトン」

ゼニス
「クロノマスター スポーツ スケルトン」
Ref.03.3131.3600/01.M3130
・214万7200円(消費税込)
・SSケース
・自動巻き(Cal.エル・プリメロ 3600 SK)
・パワーリザーブ約60時間
・SSケース&ブレスレット
・10気圧防水

ウブロ「ビッグ・バン ウニコ」の次世代モデルもセミスケルトンに

 また昨年誕生20周年を祝ったウブロの定番クロノグラフ「ビッグ・バン」。

 この人気コレクションから自社開発製造のクロノグラフムーブメントを搭載したオープンワーク文字盤の「ビッグ・バン ウニコ」も一新。名称が「ビッグ・バン リローデッド」となった。

「ウニコ」ムーブメントはもともと、コラムホイールや水平クラッチなどを文字盤側に配置して、その動きが楽しめるようになっている。

 この次世代モデルではムーブメントが再設計されて日付表示が4時半の位置に移動したほか、6時位置のコラムホイールや8時位置の水平クラッチがカラーリングされ、その存在感が高められている。

 ケースバックもシースルーなので、これはセミスケルトンとも言える。

ウブロ「ビッグ・バン リローデッド」
ウブロ「ビッグ・バン リローデッド」

ウブロ
「ビッグ・バン リローデッド」
・324万5000円〜573万1000円(消費税込み)
・ケース径:44mm
・パワーリザーブ:約72時間
・ムーブメント:自動巻き(HUB 1280 ウニコ マニュファクチュール)
・風防:反射防止サファイアクリスタル
・防水性:100m防水

 昔はスケルトンモデルといえば「クラシック」「職人の手作り」「ユニークピース」というイメージがあった。だがそんなイメージは過去のこと。もはや捨てた方が良さそうだ。

Gallery 【画像】メゾンの技術の粋を尽くしたスケルトンウォッチを全て画像で見る(34枚)
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渋谷ヤスヒト
渋谷ヤスヒト
時計&モノジャーナリスト、編集者
1962年生まれ。文芸編集者を経て、モノ情報誌や時計専門誌の副編集長を務めた後、時計ジャーナリストとして独立。現在はライター、フリー編集者として多方面で活動。特筆すべきは1995年から一度も欠かすことなく続けているスイスの時計フェアや世界各国のブランド取材。30年以上のキャリアに裏打ちされた業界VIPとの信頼関係を活かし、業界全体を俯瞰した独自の記事を執筆する。また時計に留まらず、モノ情報誌の編集者時代のネットワークと知識でIT機器、自動車、家電、食品など、「モノ作り」の現場を幅広く網羅。完成品から下請け企業まで一貫して追いかけ、「人が本当に幸福になれるモノとは何か」を探求し発信中。

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