メルセデスの激レアバスは1650万円!! 14座席ある「O319」の乗車定員数が10人以下の不思議
見た目が「だるま」のようなメルセデス・ベンツ「O319」
AUTOMOBILE COUNCIL 2022の会場において、誰もが立ち止る珍しいメルセデス・ベンツが1台展示されていた。その形はあまり見かけないワンボックススタイル。とても可愛らしいデザインのコンパクトボディの室内を覗くと、そこには運転席を含めて14もの座席がセットされている。
このモデルはいわゆるマイクロバスで、その名はメルセデス・ベンツ「O319ミニバス」であった。

●ベンツのクラシックマイクロバス
ベースとなったモデルはメルセデス・ベンツが商業用パネルバンとして生産していた「L319」だ。
1955年から1967年にかけて製造され、このボディを使って小型バス(O319)だけでなく、当時は小型トラックや消防車といった特装車が数多く作られていた。つまり、非常に汎用性の高いシャシだったというわけだ。
今回展示されていたO319はオールドメルセデスを専門に扱う兵庫県神戸市のシルバースターが所有する車両だ。このクルマはその顔つきから「だるま」の愛称で親しまれている。現在日本には5台以下しか存在していないといわれている幻のオールドメルセデス・バスである。
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シルバースター代表取締役・岸本さんについて、O319について尋ねてみた。
「このO319は1963年式で、実際に日本のディーラーで販売されていたクルマなんです。元々が商業車だったので、本国ではかなりの台数が生産されていましたが、乗用車と違って商業車は役割を果たしたら潰されるケースが多く、L319トラックもO319バスも例外なく同じ運命を辿っていました。
日本にも入ってきましたが、その台数はとても少なく、当時から貴重なモデルでした。
このO319のヒストリーは、東京の大手企業が送迎用として使っていたバスでした。前オーナーは幼少期にその会社の近所に住んでいて、毎日走っているO319の姿を見ていたそうです。
大人になるとそんな事は忘れていたそうなんですが、偶然にもそのクルマが中古車としてたまたま店頭に並んでいる姿を目撃し、詳しく調べると当時走っていた思い出のクルマだったので、すぐに購入したそうです。
そして、そのまま倉庫にしまって大切に保管していた車体なんです。このクルマは、そのオーナーさんから特別に我々が譲り受けた個体なんです」
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