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時計の心臓部「ムーブメント」を自社で作れる「グランドセイコー」が“唯一無二”って知ってた?

世界でも稀有な“3種類のムーブメントを自社製造する”グランドセイコー

 高級時計の世界には、いろいろな格付けがある。歴史の長さや王侯貴族から愛されてきたという逸話も重要だが、品質面で語るなら、心臓部である「ムーブメント」を自社で製造していることが重要視される。

 このムーブメントが自社製であることのメリットは大きい。

 例えば、時計のサイズはムーブメントの直径で決まるが、ムーブメント専門会社が製造する汎用ムーブメントを使用すると、ケースサイズを自由に決められなくなってしまう。またクロノグラフの積算計の位置やパワーリザーブ表示の位置なども、使用するムーブメントに合わせなければいけないのでデザインの自由度も減ることに……。

 さらにはムーブメント製造会社の都合で納期がズレたり、仕様に不満があっても我慢する必要が出てくる。つまり汎用品ムーブメントを使うというのは、どこかで妥協することにもなりかねないのだ。

 セイコーウオッチは創業以来、一貫して自社でムーブメントを製造している一流メーカーだが、なかでも「グランドセイコー」に使用するムーブメントは、品質と精度、仕上げの面で最上級レベルとなる。しかし、それだけならスイスの名門時計ブランドと同等かもしれない。

 なぜならグランドセイコーでは、機械式(9S)、クオーツ式(9F)、スプリングドライブ式(9R)という駆動方式の異なる3種類の自社製ムーブメントを使い分けている。これは、時計業界で唯一無二である。

岩手県の雫石町にある「グランドセイコースタジオ 雫石」は、機械式ムーブメントの部品製造から組立、検査までを行っている。建物の設計は隈研吾氏が担当した。
岩手県の雫石町にある「グランドセイコースタジオ 雫石」は、機械式ムーブメントの部品製造から組立、検査までを行っている。建物の設計は隈研吾氏が担当した。

●スイス基準を上回る独自検定がハイレベルなムーブメントの証

 グランドセイコー用の機械式ムーブメント「キャリバー9S」は、高振動にすることで高精度を実現するハイビート仕様やGMT、手巻き式など、時計のコンセプトに応じて9つの機械式ムーブメントを選べるようになっている。しかも品質レベルも極めて高い。

 スイスには公的機関が検査し高精度認定を行う「COSCクロノメーター」という規格があるが、グランドセイコーではそれよりも厳しい「GS検定」を定めている。例えば一日に生じる誤差の平均(平均日差)は、COSCクロノメーターが-4秒~+6秒を許容値にしているのに対して、GS検定は-3秒~+5秒が合格ラインにしている。それくらいハイレベルなムーブメントを作っているのだ。

Next独自技術を持つ「スプリングドライブ」も自社で開発・製造
Gallery【画像】長野県・諏訪で作られる「グランドセイコー」の心臓部を画像で見る(6枚)

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