VAGUE(ヴァーグ)

「来年の目標はクラス優勝、そして総合での表彰台」

 木下選手は、ニュル24時間で使用したレーシングスーツやヘルメットなどを持参し、レースの様子を振り返ります。木下選手とインタビュアーの竹岡さんは、同じモータージャーナリストとして旧知の間柄で、仲の良さが伝わってきます。

  • 装着タイヤは専用に開発されたレースタイヤ「PROXES SLICKS(ニュルブルクリンクスペック)」

−−今回、タイヤは何本持って行ったんですか?

「ドライを250本、ウエットを250本、合計500本を日本から空輸したって聞いてる」

−−それだけの本数を、しかもコストがかかる空輸で、ですか。“本気度”がすごいですね。でも今回はずっと好天だったから、ウエットタイヤの出番はなかったんですよね?

「じつはちょっとだけ使ってみたんだ。そしたらけっこう良かった。ていうのは、ドライ路面、タイヤ温度が上がってウエットタイヤには厳しいはずの状況でも、それなりに走れたんだよね。これはライバルのウエットタイヤにはないアドバンテージだと思うから、もし今回のレースで、路面がドライ、ウエット、セミウエットが混在するようなコンディションだったら、もっと見せ場がつくれたなって」

  • 木下隆之選手は、「今回持ち込んだタイヤは、1周目の性能がずっと続く。8周きっちり走れるし、走ったあとのタイヤをチェックしても、まだまだ行けるって感じだった」と絶賛した

−−ニュルは1周が長いから、コンディションが変わってもすぐピットイン、タイヤ交換ってわけにはいかないですよね。

「そう。ライバルがタイヤを傷めないようゆっくり走るなか、しっかりとしたペースをキープして順位を上げることができる。そんな展開だったら最高だったね。今回はドライ、ウエットとも、トーヨーが用意してくれたタイヤに満足できたし、来年に向けての手応えも感じたよ」

−−ではあらためて今回、ダブルエントリーも含め、レースを振り返ってみての感想は?

「繰り返しになるけど、NLSからエントリーできて、また本番でもダブルエントリーでしっかりと距離をこなすことができていた、自分にとっては大きな収穫のあるニュル24時間だったと思う。あとチームが、スポンサーがついた日本人だとか、もう還暦近い年齢だとか(笑)、関係なく接してくれたのがうれしかったね。腫れ物にさわる、最低限のスティントだけ乗ってもらうってスタイルじゃなくて、ドイツの若手ドライバーと同等に、いや夜間のダブルスティントなんか考えるとそれ以上にかな(笑)。“ニュルに真剣に向き合うひとりのドライバー”として扱ってくれた」

  • ニュルブルクリンク24時間耐久レースにはさまざまなクラスが混走する。第51回の今大会は出走131台、完走88台、リタイアが43台だった
  • ニュルブルクリンク24時間耐久レースは目まぐるしく天候が変わることがあるが、今大会は終日晴れ。ウエットタイヤの出番はなかったという

−−最後に、来年に向けての熱い思い、決意を聞かせてください。

「今年はドイツに住んで、NLSにも出場して、ニュル24時間に向けてこれまで以上にしっかり準備ができた。そして本番でもパワーや操縦性が違う2台のクルマで同じコースを走るなど、いままでのニュルでは得られなかった体験ができたと思う。でも、課題もたくさん見つかった。たとえばクリアラップだと思ったら、先行車が思った以上に遅くてコーナー手前の狭いところで追いついちゃって、数秒ロスするとか。もう少し早く気付いて、車間をあまり詰めずにコーナーを待ち、速い速度で回れて立ち上がりでスパッと抜くことで、タイムロスを抑えることができたんだよね。コースをおぼえることも大切だけど、その上でほかのクルマ、『あいつはコーナーが遅い』とか『なかなかラインを譲らない』とかのクセをしっかり覚えておくことが、より上位を目指すためには必要だね」

−−なるほど、ふつうのサーキットでの耐久レースだと、遅いクルマに何度も追いつくからそのあたりが自然に頭に入ってくるけど、ニュルは1周が25km、同じクルマに追いつくことはそうそうない。そういう難しさもあるんですね。

「そのためにはやっぱり、今年から来年にかけてNLSからしっかり準備しなくちゃいけない。オレももう年だから(笑)、本気でニュルに挑める時間はあまり残ってないからね」

−−じゃあ来年はどんな結果を?

「目指すはクラス優勝、そして総合での表彰台だね」

−−ぜひ頑張ってください!

  • 木下隆之選手と、インタビュアーのモータージャーナリスト竹岡 圭さん

※ ※ ※

 今回のニュルブルクリンク24時間耐久レース、残念ながら表彰台を逃したトーヨータイヤと木下隆之選手でしたが、「PROXES SLICKS」はSP10クラス(グループGT4カテゴリー)の優勝を狙える実力を備えているといいます。

 世界一過酷なレースといわれ、今年も出走131台のうち完走できたのは88台、3台に1台はリタイアするというニュルブルクリンク24時間耐久レースでは、タイヤだけではなくマシンやドライバー、チームの総合力が問われます。

 来年2024年のニュルブルクリンク24時間耐久レースでのクラス優勝に向け、すでに動き出したトーヨータイヤと木下隆之選手に期待が高まります。

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