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横浜は町中華も素晴らしい――インターナショナルな商店街そばの名店「酔來軒」に舌鼓をうつ【遠くても行きたい町中華#03】

●牛丼に対抗して生まれた名物「酔來丼」

 横浜市営地下鉄「阪東橋駅」を出て4〜5分の場所にある「横浜橋通商店街」。戦後間もなくからある歴史ある商店街ですが、韓国、中国の人が営む本格食材を扱う店がここ数年でかなり増えたことにより、客層もかなり国際色豊かに。そんな商店街を抜けてすぐの場所にあるのが、今回紹介したい町中華の名店、「酔來軒」です。

 店内はテーブル席と小上がりの座敷席。昭和を感じる使い込まれたテーブルや椅子、模様の入ったすりガラスなど、どこか懐かしさを感じる空間です。

 ここに来て絶対に食べるべきもの、そしてここにしかないメニューといえば、店名物の「酔來丼」。25年ほど前に、牛丼に対抗して生まれた丼は、1杯400円という良心的すぎる価格、そして飽きのこない味わいに、横浜市内はもちろん、週末は遠くからも食べに来る人がいる看板メニューです。

酔來丼400円。中華スープ、タレつき。焼豚は自家製、毎日窯で“吊るし焼”をしている
酔來丼400円。中華スープ、タレつき。焼豚は自家製、毎日窯で“吊るし焼”をしている

 老舗中華料理店でしか最近は見かけなくなったピンク色のチャーシュー、モヤシ、メンマ、ネギ、そして中央に揚げ焼きした目玉焼き。添えられているタレをかけて味わいます。食べ方は、思い切り混ぜても崩しながら食べてもOK。特にルールはなく、お好きにどうぞと店主。

 銀色のスプーンでワシワシと豪快に食べると、目玉焼きの縁のカリカリやモヤシのシャキシャキ、時々やってくる辛子のツンとした辛さなどが渾然一体となって、たまらなくうまい! 中華スープも啜りつつ、気づいたらあっという間に完食してしまう、素朴で優しい、だけど思い出したら無性に食べたくなる丼です。

●真ん中にプチトマト入り、ほろっと旨みが口の中に広がる肉団子

 そして、店主のおすすめは「トマトの肉団子」600円。ツヤッツヤ、とろみのあるタレにしっかり浸かった肉団子の中にはプチトマト。口に入れると、肉の弾力が来た後トマトのプチッ、そしてトロッ、がやってくる。

「女性に人気のメニューなんですよ」と店主。甘めのあん、そして肉団子なのにトマト効果でヘルシーな美味しさなのもあり、女性人気というのにも納得です。

 人目を気にしなくていいなら、このあん、お皿を持って直接飲みたい。それが無理なら白ごはんにかけたい。箸ではなく、スプーンであんをたっぷりすくいながら味わいたい! 肉団子の美味しさもですが、まろやかなあんの味わいもうっとりする一品。600円という良心的な値段なので、酔來丼と合わせて注文するのもありかと思います。

「アサリのうまいやつ」800円。様々な香辛料が深みのある旨みを作り出している
「アサリのうまいやつ」800円。様々な香辛料が深みのある旨みを作り出している

 そしてもう一品、その名も「アサリのうまいやつ」800円。3年前から始めたという酔来軒の中では新しいメニューで、山椒や豆豉、豆板醤など複数の調味料を合わせた甘辛の炒め物。最初は箸でアサリを取って上品に食べていたのですが、気がついたら、手で貝をもち、タレを貝ですくってから口の中へ。

 だってアサリの身にとろみのあるタレをたっぷり絡めてから味わいたい。手がベタベタになってもいい! 美味しいは正義! このタレも最後は白ごはんにかけて食べたくなる、アサリの旨みと様々な香辛料が奏でる深みのある美味しさです。

●祖父から受け継ぐ、懐かしい美味しさを感じる料理も

 店は戦前からあるのですが、戦後、創業者から現在の店主の祖父が名前を継いでそのまま営業しているとのことで、店名の由来は正直わからないとのこと。

 なので創業以来からのメニュー、というのはないのですが、店主の祖父の時代からのメニューは色々あり、「五目焼きそばやサンマーメンは、おじいさんが始めた時からレシピは基本一緒ですね。昔からの味も楽しめます」と店主。

店主の野木さん。酔來丼用の目玉焼きを次々と揚げ焼きにしていく
店主の野木さん。酔來丼用の目玉焼きを次々と揚げ焼きにしていく

 ここで一応説明。横浜発祥、ご当地名物の「サンマーメン」700円。秋刀魚入りではなく、野菜たっぷりのあんかけ汁麺のことです。そして、横浜といえばやはりシュウマイ。

「うちのシュウマイは椎茸が1枚乗っているのが特徴ですね。作るのに手間がかかるけれど人気が高いんですよ。シュウマイもウチに来たらぜひ食べてほしいですね」と店主。メニュー名も「しいたけシュウマイ」500円。お腹に余裕があれば、今ここで頼みたいっ!

 ちなみに、メニューの中には、「やっこ・枝豆セット」200円や「ピータンやっこ豆腐」600円、「焼豚」700円など酒の肴に向いているものもあるので、瓶ビール550円や焼酎・サワー各種400円とで、飲みを楽しむのもありです。

 酔来軒で満腹になった後は、横浜橋通商店街で本格キムチや豚足などアジア食材の買い物を楽しむも良し、ちょっと足を伸ばして関内やみなとみらいなどで横浜観光をするも良し。横浜といえば中華街、のイメージですが、酔來軒のように、地元で長いこと愛されている、中華料理の店も街中に数多く存在するんですよ。

店名:酔來軒(スイライケン)
住所:神奈川県横浜市南区真金町1-1
電話:045-231-6539
営業時間:11:00〜21:20(LOフード20:50、ドリンク21:00)
定休日:月・火曜(チャーシューがなくなり次第終了メニューあり)

Gallery 【画像】おいしい中華に舌鼓をうつ「酔來軒」の料理を見る(12枚)
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