控えめな“トヨタエンブレム”を配した新時代のリアスタイル

　トヨタ自動車は、新型「クラウン・セダン」の発売開始を2023年秋に予定しています。迫力満点のフロントマスクとは対象的に、リアスタイルは流麗でスタイリッシュに仕上がっています。

　そんな新型クラウン・セダンのリア回りで気になるのが、トヨタ車であることの象徴でもある“トヨタエンブレム”が、従来モデルよりも小さくなっていること。なぜこのような大きさになったのでしょうか？

　トヨタ自動車は2022年夏に開催した発表会において、16代目となる新型「クラウン」シリーズ4モデルを世界初公開しました。

　そのラインナップは、2022年に先行発売された「クラウン・クロスオーバー」、新ジャンルであるスポーツSUVの「クラウン・スポーツ」、ステーションワゴンとSUVの魅力を融合した「クラウン・エステート」、そして、歴代モデルの後継車と呼ぶにふさわしいクラウン・セダンの4モデル。トヨタ自動車はこの多彩なラインナップで、変化するユーザーの要求に応えようとしています。

　なかでも新型クラウン・セダンは、正統派セダンとしての上質な走りと快適な乗り心地、そしてショーファーとしてのニーズにも応えられるくつろぎの後席空間を獲得。パーソナルにもビジネスシーンにも活躍する新世代のフォーマルセダンとして位置づけられています。

　新型クラウン・セダンのパワートレインは、HEV（ハイブリッド）とFCEV（燃料電池）の2種類。駆動方式はともに後輪駆動を採用しています。

　そんな新型クラウン・セダンの特徴のひとつが、全長5030mm、全幅1890mm、全高1470mm、ホイールベースは3000mmという堂々たるボディサイズ。クラウン・クロスオーバーは全長4930mm、全幅1840mm、全高1540mm、ホイールベース2850mmなので、全高以外はひと回り大きくなっています（クラウン・セダンの数値はすべて開発目標値）。

　大柄なボディに迫力満点のフロントマスクを組み合わせた新型クラウン・セダンを子細に眺めると、過去数世代のクラウンと比べてリア中央の“トヨタエンブレム”が過去数世代のものに比べて小さくなっていることに気づきます。その背景にはどんな理由があるのでしょうか？