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独自のデザインがカッコいい! 特急「まほろば」はなぜ3月から定期運行化される? 大阪と奈良を結ぶ観光特急の“未来”とは

実際に臨時特急「まほろば」号に乗ってみた

 JR大阪駅・新大阪駅と奈良駅を結ぶ臨時特急が「まほろば」号です。

 2024年12月13日、西日本旅客鉄道(JR西日本)は、翌年3月15日から定期運行を開始、オリジナルデザインのリニューアル車両をデビューさせると発表しました。

臨時特急まほろば号のイラストマーク。乗降口近くの愛称幕に掲げられている
臨時特急まほろば号のイラストマーク。乗降口近くの愛称幕に掲げられている

 まほろば号は2010年に登場した臨時特急です。当時開催されていた、奈良ディスティネーションキャンペーンに合わせて登場したまほろば号は、新大阪駅と奈良駅を結ぶ3か月限定の特急でした。

 ちなみに「まほろば」という名前は、古事記にも謳われた言葉で「素晴らしいところ」という意味になります。

 2019年11月に復活、その年の3月に全線開通したおおさか東線を経由し、新大阪駅と奈良駅を結びました。その後のコロナ禍の影響で2020年5月から運休されていましたが、8月に運行を再開、10月以降また運休されました。

 復活したのは2023年春。同年3月に大阪駅地下ホーム、通称うめきた地下ホームが開業したことに伴い、大阪駅と奈良駅を結ぶ特急として臨時運行をおこなっています。

 2024年12月現在は、臨時列車として土日休日に大阪駅発・奈良駅発それぞれ1便が運行されています。

 まほろば号とはどんな特急なのでしょうか。実際に乗ってみました。

 まずは始発の大阪駅に向かいます。出発するうめきた地下ホームは、地上ホームから歩くと8分ほどかかるため、乗り換えの場合は注意が必要です。

 開業から2年も経っていない地下ホームは、なんだか近未来感あふれる空間になっているのが特徴です。うめきた地下口改札には、交通系ICの「ICOCA」定期券を持ち、顔写真をモニター登録した人が“顔パス”で通ることができる顔認証ゲートがあったり、電車のタイプに合わせて自在に動く全面ガラス張りのホームドアがあったりと、ちょっと他の駅では見られないサイバーな雰囲気が、ワクワク感をさらに際立たせます。

 まほろば号は287系車両を使い、3両編成と短いのが特徴です。乗車券のほかに特急券が必要ですが、JR西日本の予約サイト「e5489」で「まほろばチケットレス特急券」を使えば、通常1730円の特急券が半額の860円で購入できます。

臨時特急まほろば号が出発する大阪駅うめきた地下ホーム。近未来的な雰囲気だ
臨時特急まほろば号が出発する大阪駅うめきた地下ホーム。近未来的な雰囲気だ

 9時58分に大阪駅を出発。この日は12月初旬の土曜日でしたが、車内は空席が目立ちます。まほろば号は急な勾配をのぼり地上に出ると、淀川を渡り10時4分に新大阪駅に到着しました。

 新大阪駅では大きな荷物を持った外国人旅行客が数組載ってきましたが、それでも車内は空いています。

 新大阪駅を発車後は、一度北へ向かってから南吹田駅で右へ急カーブ、一転して南へと向かうのがおおさか東線の特徴です。そしてもう一度淀川を渡り、難読駅としても有名な放出駅を通過し久宝寺駅でいったん停車します。おおさか東線を走行するときは、特急とは思えないゆっくりとした速度で走行するのも特徴です。

 大和路線に入ると今度はスピードアップ。ここで車掌が回ってきて「記念乗車証」が手渡されました。

 大和川沿いの亀の瀬を抜け奈良県に入ると10時48分に法隆寺駅に到着、ここで数組の観光客が降りたため、空いていた車内はよりガラガラになりました。そこから10分足らず、10時57分に奈良駅に到着、59分の短い特急旅は終わりました。

Next2025年春に独自デザインの車両で定期運行化が決定
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