「えっ…!」全長3mの小さな車体に430馬力のV8エンジン搭載!? アストンマーティン謹製のワンオフモデル「シグネットV8」のスゴさとは
「V8ヴァンテージS」より速い高級シティコミューター
2018年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにてお披露目されたアストンマーティン「シグネットV8」。カタログモデルでも特別モデルでもなく、アストンマーティンが展開するQ by Aston Martinが手がけたワンオフでした。

Q by Aston Martinは、オーナーのどんな要望にも可能な限り応えるパーソナライゼーションサービス。そんなアストンマーティン「シグネットV8」が、イギリスの中古車販売店に並んでいるのを発見しました。
「シグネットV8」のベースは、トヨタ「IQ」をベースに開発されたアストンマーティンの超コンパクトカー「シグネット」。2011年から2013年まで生産された、全長3078mm、全幅1680mmの3ドアコンパクトカーです。
「シグネット」は結果として、アストンマーティンの歴史において販売は“不芳”でしたが、排ガス規制に立ち向かうための意欲作でした。
そんなマイクロカーに「V8ヴァンテージS」(2011年~2017年)に搭載されていた4.7リッターのV8エンジンを移植したモンスターマシンが、本記事でフォーカスする「シグネットV8」です。
ボディにはロールケージが溶接され、最高出力430bhp、最大トルク490Nmを発生する4.7リッターV8エンジンを収めるために、新しいバルクヘッド、トランスミッショントンネルが制作されました。サブフレームやサスペンションは前期型「ヴァンテージ」より流用しているそうです。なお、スチール製の燃料タンクはラゲッジスペースに収められました。
V8エンジンを収めながら、ボンネットの形状はノーマルの「シグネット」のまま。フロントグリルはオーナーの好みだったのか、差別化の証だったのか、黒いメッシュに変更されています。
広げられたフロント&リアトレッドに対応すべく、カーボン複合材によるブリスターフェンダーが装着されているのも注目すべきポイント。ボディサイズは全長3708mm、全幅1920mm、全高1500mmと、ベースの「シグネット」より幅が240mm広くなっており、前後のブリスターフェンダー内に収まるタイヤ&ホイールは、「シグネット」の16インチから19インチにまで拡大された275/35タイヤに変更されています。
ブレーキは、「V8ヴァンテージ」ゆずりのフロント:6ピストンモノブロックキャリパー&380mmディスク、リア:4ピストンモノブロックキャリパー&330mmディスクという組み合わせ。キャリパーは、ボディカラーのバッキンガムシャーグリーンと対照的な黄色に塗装されています。
リアで特徴的なセンター出しのデュアルエキゾーストは、これまたワンオフで制作されたもので触媒コンバーターつき。マニホールドからの距離が短いので、「シグネット」に似つかわしくない迫力あるエキゾーストサウンドをこだまさせるそうです。
トランスミッションもまた「V8ヴァンテージS」ゆずりの7速スポーツシフトIIが移植されています。
車両重量はわずか1375kgで、313bhp/トンのパワーウェイトレシオを誇ります。結果、「シグネットV8」はハードウェアのドナーカーである「V8ヴァンテージS」を凌駕する、0-60mph(約96km/h)4.2秒、最高速度170mph(約274km/h)を誇ります。なおノーマルの「シグネット」と比べると、最高速は60mph(約96km/h)以上も速くなっています。
インテリアは、前述のロールケージに加えてFIA準拠の消火器システム、4点式ハーネスを備えた複合材固定バックのレカロバケットシートを装備。アルカンターラで覆われたステアリングホイールは取り外し可能で、その後ろには「V8ヴァンテージ」由来の計器クラスターを持つ特注のカーボンダッシュボードが控えています。
●「シグネット」の相場は高値安定。さらにワンオフモデルなら……
この「シグネットV8」、誰が特注した車両なのかいまだに明らかになっていませんが、ワンオフオーダー時の価格は25万ポンド~50万ポンド(現在のレートで4723万円〜9445万円)だったとウワサされています。
当該車両の「シグネットV8」は、走行距離2893マイル(約4655km)と一般的な中古車目線で見れば少なめですが、ワンオフ車両であることを考えると“乗られた”部類に入るでしょう。
その希少性から、「シグネット」は中古車市場で高値安定の状態が続いています。そもそもレアな存在である「シグネット」のワンオフ車両「シグネットV8」ということで、中古車販売店での価格も「要問い合わせ」となっていますが、イギリスの自動車ニュースサイトや老舗自動車雑誌では「50万ポンドくらいではないか?」とウワサされています。
ちなみに、アストンマーティンのオフィシャルワークショップであるアストンマーティン・ワークスは、程度の悪いアストンマーティン車であっても、正当なシャシー番号があってエンジンが載っていれば、フルレストア作業を50万ポンドで請け負ってきました。しかも現在は、金型やノウハウが蓄積された結果、それが40万ポンド(約7556万円)に値下げされています。
超貴重な「シグネットV8」をアストンマーティンワークスでレストアして乗る……。クラシックスーパーカーを共同所有するサービスが話題となっている昨今ですが、こういう車両に注目するのもアリかもしれませんね。
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