東京23区内で2両編成の“超ローカル線”が走る! 全長1キロを10分間隔で走る電車 過去にあった「壮大な計画」とは
終点「大師前駅」の構造も特徴的
関東大震災の影響により、たった2駅の東武大師線が誕生していますが、現在では、ほぼ終日にわたり10分間隔で2両編成のワンマン列車が運行されており、短距離ながら一定の運行本数を保っています。

前出の担当者は、東武大師線の需要について次のように話します。
「通勤・通学をはじめとした普段使いでのご利用がメインです。そして年末年始には参拝客の利用が増えます」
他にも、西新井駅から大師前駅に向かう区間は、江戸時代から信仰を集めてきた「西新井大師」への参詣ルートとしても需要があります。
参拝客の需要が、ローカル線でありながらも路線を存続させる原動力となりました。
大師線は開業以来、地域の人々の足として、また正月には多くの初詣客を運ぶ参詣路線としての役割を果たしてきました。
そして、東武大師線には上述の通り、個性的なポイントもいくつかありますが、終点の大師前駅の構造も特徴的です。
大師前駅には自動改札機や自動券売機が設置されておらず、同駅から乗車する場合は、有効な乗車券を持たないまま乗車し、西新井駅の連絡改札で精算する形となっています。

このような運賃処理の方法は全国でも数少ないものであり、訪れた人に独特の印象を与える構造です。
駅構造や運行形態に見られるレトロで非日常的な要素は、短いながらも鉄道ファンにとって印象深い存在となっています。
現在、大師線で使用されている車両は、「東武8000系」を中心とした2両編成で、緑や黄色、朱色といったリバイバルカラーも走っています。
リバイバルカラーは昭和30年代の標準塗装を再現したもので、路線の歴史を感じさせる演出として注目を集めています。
※ ※ ※
東武大師線は、都心にあるとは思えないほど素朴で独自性に富んだ鉄道路線です。
現在もなお、東武本線系統と東上線系統の間には自社路線での接続はなく、車両の回送等では第三者の路線を経由する必要があります。
西新井と上板橋を結ぶ壮大な計画、その一部だけが生き残って誕生した東武大師線。
これらを踏まえると東武大師線のわずか1kmの区間には、かつての壮大な夢の一端が形を変えて息づいているとも言えるのです。
なお、片道運賃は切符が税込160円、ICカードで税込157円です。
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