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“ちょっと高級! でも追加料金はナシ”で人気 いま流行している「オールインクルーシブ」ホテルってどんなもの?

直訳すると「すべてを含む」という意味

 外資系高級ホテルの参入、インバウンド需要の高まりにともなうビジネスホテルの宿泊料金の高騰など、日本のホテルを取り巻く環境は、いま大きな変革期にあります。

 そうしたなか、新たな営業形態を導入するホテルも徐々に増えてきています。それは「オールインクルーシブ」という業態です。

オールインクルーシブのディナーはビュッフェ形式をとるところがほとんど(写真:TAOYA日光霧降)
オールインクルーシブのディナーはビュッフェ形式をとるところがほとんど(写真:TAOYA日光霧降)

 オールインクルーシブとは、直訳すると「すべてを含む」という意味の英語で、ホテルにおいては宿泊料金に滞在中の食事、飲み物、アクティビティなどの料金が含まれているプランのことです。

 日本ではこれまで、オールインクルーシブにあまり馴染みがありませんでしたが、海外の自然に囲まれたリゾートホテルなど、「そもそも周辺で飲食するお店がないホテル」「飲食も含めた滞在で休暇を完結するコンセプトのホテル」というで多く採り入れられてきました。

 そのオールインクルーシブが、日本のリゾートホテルでも、新規開業やリノベーション、リブランドに合わせ、広がってきているのです。

 たとえば全国に約70か所の宿泊施設を運営する「大江戸温泉物語グループ」では、オールインクルーシブの温泉リゾートホテル「TAOYA(たおや)」の施設数を拡大、6月には岐阜県に「TAOYA下呂」、和歌山県に「TAOYA那智勝浦」を開業、全10カ所としています。

 同じく全国に温泉ホテルを展開する「亀の井ホテル」も、2024年12月に「亀の井ホテル 日光湯西川」をオールインクルーシブのホテルへとリニューアルしています。

 静岡県のホテルグループ「中島屋ホテルズ」も、2021年にグループのホテル「焼津グランドホテル」にオールインクルーシブを導入しました。

 リゾートホテルからビジネスホテルまで7つのホテル、ふたつの温泉を運営する「ホテルジュラクグループ」も、2024年の「伊東ホテルジュラク」のリニューアルを機に、オールインクルーシブホテルとしています。

 ではなぜいま、オールインクルーシブが広がってきているのでしょうか。

 まず理由として挙げられるのが、利用者の「節約志向」です。テレビでは毎日のように「食べ放題」「激安グルメ」など、お財布にやさしいコンテンツを放送し、それが視聴者の人気を集めています。

 もちろん、ホテルの旅行は「日常からの脱出」という意味合いもありますから、そこには“ちょっとぜいたくをしたい”という思いもあるでしょう。

 ただそこでたびたびお財布の中身を気にするようでは、楽しみも半減します。しかしオールインクルーシブなら「ちょっと高級だけど、思いっきり食べて飲んで遊んでも、支払い額は同じ」という安心感があるのです。

Next利用客とホテル側双方にメリットがある
Gallery 【画像】今流行りの「オールインクルーシブ」ホテルってどんなトコ? 写真で見る(11枚)

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