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アルミ剥き出しの“鏡面ボディ”がカッコいい! 5台限定の“特別なブガッティ”が高値で落札 17年前に登場した最高時速400キロ超えの「純血ヴェイロン」の価値とは

塗装を省き素材を露出させたことで約90kg軽量化

 2025年10月にドイツ・ミュンヘンで開催されたRMサザビーズ主催のオークションで、2008年式ブガッティ「ヴェイロン16.4 ピュール・サン」が出品され、高値で落札されました。

 どんなクルマなのでしょうか。

オークションに出品され高値で落札された2008年式ブガッティ「ヴェイロン16.4 ピュール・サン」Keno Zache(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品され高値で落札された2008年式ブガッティ「ヴェイロン16.4 ピュール・サン」Keno Zache(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 2008年に登場したブガッティ・ヴェイロン16.4 ピュール・サン(Pur Sang)は、「純血」「サラブレッド」を意味するその名のとおり、芸術と工学の融合を体現した一台です。

 ブガッティが手がけた初期の限定モデルの中でもっとも大胆な作品のひとつであり、その後の特別仕様車の方向性を決定づけた存在でもあります。

 2007年のフランクフルト・モーターショーで世界初公開されたピュール・サンは、わずか5台のみが製造されました。

 最大の特徴は、塗装を一切施さず、鏡面仕上げのアルミニウムとクリアコートを施したカーボンファイバーの素材感そのものをデザインとして見せたことです。そのミニマリズムは見る者に強烈な印象を与え、ブガッティの美学を新たな次元へと押し上げました。

 デザイナーのアヒム・アンシェイド氏は、ピュール・サンの着想を「初めて子どもが生まれたときのような感動だった」と語っています。

 ヴェイロンの組み立て工程を見つめるうちに、装飾を取り払った構造そのものの美しさに心を打たれ、その瞬間にインスピレーションが形を得たといいます。露出したカーボンファイバーの深い黒と、磨き上げられたアルミニウムの輝き。その素材の対比こそが、ピュール・サンの真髄でした。

 ピュール・サンは単なるショーモデルではなく、技術的にも進化を遂げたモデルです。

 塗装を省き素材を露出させたことで、標準仕様よりおよそ90kg軽量化され、パワーウエイトレシオが大きく改善されました。その下には、8リッターW16クワッドターボエンジンが鎮座し、最高出力1001馬力を発揮。最高速度はおよそ407km/hに達します。

 高価格にもかかわらず、世界限定5台のピュール・サンは発表と同時に完売しました。その姿は単なる高性能車ではなく、「デザインによる独自性と純粋性の象徴」として、ブガッティの哲学を今なお体現しています。

※ ※ ※

 オークションに出品された1台は、そのうちの「1番車」です。

 外装の美しさに調和するインテリアは、ベージュとグレーのレザーを組み合わせた上品な仕立てで、特徴的なアルミ削り出しのセンターコンソールが印象的です。

 新車時にはドイツで納車され、初代オーナーのもとで過ごした後、2010年にスイスのコレクターへと渡りました。さらに2018年には3人目のオーナーに引き継がれ、再びドイツへ戻っています。これまでのオーナーはいずれも慎重な管理を続けており、現在の走行距離はわずか7629kmほどです。

 2008年式ブガッティ「ヴェイロン16.4 ピュール・サン」は、最終的に197万3750ユーロ(1ユーロ177.5円換算で日本円で約3億5025万円)という高値で落札されました。

Gallery 【写真】無塗装ボディが眩しすぎる! 限定5台の特別な「ヴェイロン」を見る(30枚)
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