572馬力を6速MTで操る“白い4輪駆動ランボ”を発見 世界で69台のみの仕様 19年前の「ソフトトップ・ムルシエラゴ」とは
走行距離は1万8900マイル(約3万416km)
2025年12月にUAE(アラブ首長国連邦)アブダビで開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、2016年式ランボルギーニ「ムルシエラゴ・ロードスター」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。

ムルシエラゴは2001年のデビュー時、ランボルギーニにとって大きな飛躍となったモデルです。
1998年9月にフォルクスワーゲン・グループ傘下となった同社が、アウディの支援を得て初めて開発したまったく新しいモデルであり、イタリアらしい激情的なパフォーマンスと大胆なイメージに、富裕層が求める品質と信頼性を融合させることで、ついにフェラーリやポルシェと真っ向から競えるスーパーカーを生み出したのです。
外観はひと目でランボルギーニと分かるスタイルで、伝統の「シザードア」を踏襲しつつ、ブランドの大胆なデザイン哲学を新たに表現していました。
デザイナーのルーク・ドンカーヴォルケ氏は、インパクトと洗練を兼ね備えた造形を生み出し、アルミ製ドアとスチール製ルーフを除き、ボディの大部分をカーボンファイバーで構成しています。
ムルシエラゴは、ランボルギーニとして初めて開発段階から四輪駆動を前提としており、先代ディアブロでの技術に加えてアウディのノウハウを取り入れ、パフォーマンスと安定性を高いレベルで両立させていました。
パワートレインのレイアウトは従来通りで、後軸前方に縦置きされたV12エンジンを搭載します。1960年代に遡る伝統的な12気筒を発展させたこの6.2リッターエンジンは、発売当初で572馬力、650Nmを発生し、その後の進化版ではさらなる排気量拡大と出力向上が図られました。
トランスミッションは改良型6速マニュアルのみが当初用意されました。
2003年にはシングルクラッチ式自動化マニュアル「eギア」が追加され、翌年にはロードスターが登場します。
このロードスターは、純粋なオープンエア走行を楽しむことを重視して設計されており、簡易的なキャンバス製ルーフは手動で折りたたみ、フロントのラゲッジスペースに収納する方式でした。この構造からも、ランボルギーニが「可能な限りオープンで走ってほしい」と考えていたことがうかがえます。
今回オークションに出品予定のムルシエラゴ・ロードスターは、初代モデル最終年の個体であり、6速マニュアルを備えた初代ロードスターとしては、米国向けがわずか38台、世界でも69台のみとされる非常に希少な仕様です。
ボディカラーはイビスホワイトで、鮮烈なグリーンやオレンジ、イエローなどのイメージが強い同モデルの中では、意外なほどエレガントな雰囲気をまとっています。内装はブラックレザーです。
新車登録はカリフォルニアで、その後テキサス、ワシントン、オレゴン、フロリダで登録されてきたことがCarfaxレポートに記されています。現オーナーが2022年に購入後、アラブ首長国連邦ドバイへ持ち込み、以後同地で保管されています。
カタログ記載時点での走行距離は1万8900マイル(約3万416km)で、6.2リッター×マニュアルという、ごく限られた生産数の中でも特に希少な一台となっています。
このムルシエラゴ・ロードスター、落札予想価格は50万ドルから60万ドル(1USドル=157円換算で日本円で約7856万円から9426万円)とされています。
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