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“エンツォ・フェラーリ”より速い 80台限定の特別な「黒いフェラーリ」を発見 貴重な「SAアペルタ」の気になる落札予想価格とは

「SAアペルタ」車名のSとAの意味

 2025年12月にUAE(アラブ首長国連邦)アブダビで開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、2011年式フェラーリ「SAアペルタ」が出品される予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

オークションに出品予定の2011年式フェラーリ「SAアペルタ」Abdulla Jaafari(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の2011年式フェラーリ「SAアペルタ」Abdulla Jaafari(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 2010年のパリサロンで元フェラーリ社長ルカ・ディ・モンテゼーモロ氏により公開されたSAアペルタは、「550バルケッタ・ピニンファリーナ」や575ベースの「スーパーアメリカ」の精神を受け継ぐ限定オープンモデルとして登場しました。

 フロントエンジンV12を搭載するグランドツアラーの特別仕様であり、生産台数はわずか80台と極めて希少です。すべてが発表前に顧客へ販売され、ピニンファリーナ社80周年を記念するモデルでもあり、車名の「SA」はセルジオとアンドレアのピニンフェリーな父子への敬意を示します。

 基本は「599 GTB」のコンバーチブルですが、パワートレインはサーキット志向の「599GTO」由来で、フィオラノテストコースではエンツォを1秒上回った性能を誇ります。

 自然吸気6リッターV12は661馬力を発生し、0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は325km/hに達します。車高は標準GTBより100ミリ低く、サスペンションも強化されました。デザイン面では固定ルーフの廃止に加え、寝かされたフロントウインドスクリーン、拡大した前方の冷却ダクト、後部のエアロフィンなどが特徴です。

 本車両はネロ・ステラートの外装にスモーク20インチホイール、カーボン製エンブレム、ダークトーンのアクセントで統一されています。内装はネロレザーにロッソのパイピングとステッチが施され、カーボンパーツが随所に使用されています。タコメーターもレッド仕様となり、計31回のF1世界選手権制覇を記念するプレートが装着されています。

 また、非常に希少なカーボンファイバーハードトップが装備されており、これは14台のみといわれる貴重な仕様です。ファブリック製ルーフや工具類、取扱説明書、保証書など付属品も揃っています。

 新車時は中東向けにオーダーされ、2011年7月にドバイの正規ディーラーで納車前点検が行われました。その後UAEのコレクションに属し、2023年にはスペインのマドリードで整備を受けています。走行距離はわずか3950kmです。

 SAアペルタは現代フェラーリでももっとも希少なモデルのひとつで、オープンエアの魅力とV12の迫力、599GTB由来の快適性を兼ね備えています。80台という限定数は熱烈な愛好家にとって大きな価値を持ちます。

 この2011年製フェラーリSAアペルタ、予想落札価格は150万ドルから180万ドル(1USドル=155.9円換算で、日本円で約2億2285万円から2億8061万円)とされています。

Gallery 【写真】80台限定の特別なフェラーリ「SAアペルタ」を写真で見る(30枚)

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