あれ? スポンサーロゴが少ないのはなぜ? “音速の貴公子”のホンモノのヘルメットがオークション登場 マクラーレンホンダ時代のセナが着用したメットに残る疑問とは
1990年8月にモンツァで行われたテストで着用
2025年12月に開催されるRMサザビーズの非公開形式でのオークションにて、伝説のF1ドライバー、故アイルトン・セナ選手の着用したヘルメットが出品される予定です。
どんなものなのでしょうか。
1990年のF1シーズンは、アイルトン・セナ選手とマクラーレンが再びドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの両方を制覇する結果となりました。
1989年にチャンピオンを獲得したアラン・プロスト選手が、マクラーレンからフェラーリへと移籍したことで、セナはゲルハルト・ベルガー選手と新たにコンビを組み、マシンはマクラーレン「MP4/5B」をドライブしました。
セナはシーズンを通じて6勝を挙げ、その他のレースでも多くの表彰台を獲得しましたが、決して順風満帆な一年ではありませんでした。
シーズン開幕戦となったアメリカGP・フェニックスでは、ティレルが採用した革新的な「ハイノーズ」デザインが大きな注目を集めました。
このレースで、F1フル参戦初年度だったジャン・アレジ選手がセナを予選で上回り、スタート直後にはセナやベルガーを引き離してトップに躍り出たことは大きな衝撃でした。
これを受け、マクラーレンのエンジニアたちはティレルのノーズ形状を再現しようと試み、1990年8月のモンツァテストでMP4/5Bに初めて採用しました。しかし空力性能が想定通りに機能せず、その後は従来のノーズに戻す判断が下されました。
ヘルメットデザイナーで歴史研究家でもあるマイク・フェアホルム氏の調査によると、ここで紹介するヘルメットはまさにそのモンツァテストでセナが着用したものとされています。
テスト専用品であったため、通常見られるスポンサー「ナシオナル」や「ヒューゴ・ボス」のロゴは入っておらず、またタバコ広告禁止のイベント用デザインであるシェブロン型のマルボロ・ロゴが用いられていました。
モンツァではマルボロ・ロゴが存在していましたが、後に取り外されています。内部にはSnell認証ラベルもなく、無線装置の痕跡もありませんが、テスト用ヘルメットでは一般的な仕様でした。
このヘルメットには、セナのヘルメットデザインを手がけた故シド・モスカの息子であるアラン・シドニー・モスカ氏による署名入りの証明書が付属し、セナ本人から贈られた経緯が記されています。
1991年から2018年の間アラン氏が所有し、2021年に現オーナーへ渡りました。書簡にはこのヘルメットが1991年に使用されたと記されていますが、ベルガーとセナには1991年に新設計のRheos(レオス)製ヘルメットが導入されており、それ以前のモデルは順次使われなくなりました。

セナとレオスの提携期間は短く、セナが実際に着用したレオス製ヘルメットは現存数が極めて少ないとされています。
さらに、テスト専用となるとその希少性は格段に高まり、F1やセナの歴史を語るうえで重要な存在です。本ヘルメットは、マクラーレンの開発史とセナのキャリアにおける興味深い一頁を象徴する、コレクションとして非常に価値の高い一点であると言えます。
1990年にセナが使用したレオスヘルメット、予想落札価格は10万ユーロから15万ユーロ(1ユーロ=181円換算で日本円で1809万円から2714万円)とされています。
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